タミヤ 1/32 スピットファイア Mk.IX 製作記





ようこそ!この部屋ではタミヤの1/32スピットファイアを作っていきます。

【前置き】

本キットの素性は今更ご説明することもないとは思いますが、一応、申し上げると、昨今のタミヤスタンダードを踏襲しており、作り易さ、ディティール、ギミックの全てにおいて素晴らしい完成度のキットです。

本キットは誰にでも素晴らしい完成度を約束するキットだと思います。パーツの精度も抜群なので、特別なスキルは一切不要なのですが、一昔前のスーパーディティールと等しい内容なので製作にはそれなりの時間がかかります。完成までの忍耐力が必要という意味で【中級編】とさせて頂きます。

キットストレート組みでは何ですので、マーキングを社外デカールに変え、エンジンのディティールアップも少々施そうと思います。

まずはマーキングを選択します。

全くの個人的趣向で恐縮なのですが、今回はインベイジョンストライプ付きのスピットに仕上げようと思います。

デカール付属の説明文を読んでいると、このスピットマーク9はEウイングのようです。私自身はスピットについてそんなに詳しくはないので、キット付属の説明書を引用させていただきます。Eウイングは20mm機銃の位置がキットのCウイングとは違っているようです。デカールの絵もちゃんとそうなっていますね。

しかし、ちょっと悩み所がありました。タミヤの説明によるとEウイングには7.7mm機銃がありませんが、デカールの絵には7.7mmの発射口に貼る赤いテープの絵がはっきりとかいてあります。ウィキペディアで確認しても、Eウイングには7.7mmは装備されないようですので、デカールの絵を間違いとしてすすめて参ります。

Eウイングにするためにマーク16の部品を流用します。20mm機銃もイスパノになっているようです。パネル類も多分合ってると思いますが・・。見た目はOK。

細部工作に関し、特筆すべきところは無いと思われますので、組立に関しましては適宜端折らせて頂きます。ノンストレスで組立られます。

【コクピットの製作】

まずはコクピットから進めてまいります。シートベルトですが、いつもはファインモールドのナノアビを使用するのですが、スピットの場合肩掛けベルトの金具がコクピット後方にあるのでナノアビでは対応できません。キット付属のエッチングを使用します。ナノアビのディティールには負けますが、そんなに悪くないですね。



バタバタっと素組して着色します。コクピットの色は主観で塗っています。クレオスの324番ライトグレイ:暗緑色(三菱系)=7:3ぐらいです。シート後方の防弾板をエッチング板で再現しているのは素晴らしいです。質感が抜群に良いです。

翼を組み立ててサクッと士の字にします。主翼上面の機銃パネルはマーク16のキットよりEウイングの部品を使用します。(20mm機銃が外側です)

言うまでもありませんが、接合部には一切隙間が出来ません。驚異の精度です。

裏側です。こちらも完璧です。接着パッチの意味合いで、部分的に瞬着で留めています。個人的にスピットはフラップ下げるとカッコ悪いと思いますので、フラップは格納状態にしました。

フィレット部もピッタリです。昔のキットはここが絶対と言えるほど合いませんでしたが、時代を感じます。コクピットは追加工作無しですが、外から見る分には十分なディティールです。

【エンジンの製作】

次にエンジンを作っていきます。ここぐらいしか手を入れる余地が無いような気がします。

キット付属の資料写真、レストア機の写真です。塗装に関してはインストの指示だと味気ないので、こちらを参考に塗っていきます。

まずは本体をある程度組み立ててからセミグロスブラックで塗っていきます。そのあと、ライトグレーを少し混ぜたブラックを吹いて褪せた(焼けた)感じを表現します。シルバーで軽くドライブラシをした後で、ブラウンを少量混ぜたクリアーオレンジを吹いてオイル漏れを再現します。

金属線を使ってパイピングしていきます。キット付属の資料ではよく判りませんので、ネット上で写真を漁るのですが、マーリンエンジンで検索しても色々出てきますので、半分でっち上げのような感じになってしましますが、雰囲気重視ということでご了承願います。

使用する金属線です。直線部には真鍮線、電源ケーブル類にはサカツーのフレキシブルワイヤー、ホース類はおもちゃ用の電線を使います。それぞれの直径は目検で決めます。因みに、プラウコードは0.3mmmのワイヤーを使用しています。このフレキシブルワイヤーは使い勝手が良いのでお勧めです。




次にフレームを組んでいきます。キットの塗装指示ではコクピットと同色で一色なのですが、面白くないので付属の写真集のような感じにします。オイル汚れとして、エナメルの茶色を薄く塗っていきます。この時「垂れ」を意識して上から下へ筆を走らせます。また、その「垂れ」がランダムな感じになるように気を付けます。

コクピットの色は暗緑色とグレーを混ぜて作ります。黄緑は、ジンクグリーンに茶色を少し混ぜます。

一応エナメルもご紹介しておきます。オイル汚れに使用します。

エンジン本体をフレーム載せて、フレーム絡みのパイピングも施します。

パイピングですが、どことどこが繋がっているのかよく判りませんので見えない部分はそれらしく隠します。いわゆる「でっちアップ」というやつです。でもまずまずな仕上がりに見えますよね。

排気管とパネル取り付け用フレームを装着します。コントラストが増してぐっと実感が増します!この瞬間がたまらなく楽しい瞬間であります。



【基本塗装とインベイジョンストライプ】

だいぶ時間がかかってしまいましたが、整形が終わりましたので、進めてまいります小物はデカールの乾く間に作れそうなので、先に塗装に入ります。まずは機体色を確認します。いつもは調色するのですが、たまたま、昔のクレオスの特色が出てきたので、それを使います。

もう絶版でしょうか。手間が省けてラッキーです。

今回はインベイジョンストライプ付きなので、まずは白から塗っていきます。クレオス316番ホワイトにつや消し剤を入れ、フラットホワイトを作ります。サフよりも若干つやが有る程度にし、薄く希釈したものを何度も塗り重ねます。塗料:薄め液=3:7ぐらいです。

機体全面に白を塗る場合は不要な工程ですが、私の様に手を抜いて、ストライプの周りのみの場合は、3回に1回程度、1000番程度のスポンジヤスリで、塗らない部分、特にコーナー(本機であればフィレットの部分等)をこすってやります。そうしないと、飛沫でガサガサになってしまいます。


ホワイト完了です。サフの意味合いも兼ねて、白くしない部分も薄めに塗っています。完璧に白くしようとすると、微細なモールドが埋まってしまう可能性が高いので、多少ムラがあっても良しとしましょう。この時に、意図的なムラに見えるよう、ドイツ機のモットリングのようなムラにしておくと良いでしょう。

次に、デカールのイラストに従って白く塗った部分をマスキングします。そして、下面から塗っていきます。

白のみ完了の写真です。後の手間を省くため、小部品も出来る限り一緒に塗ってしまいましょう。

次に上面です。まずはオーシャングレーから塗っていきます。イメージよりも暗い色調ですが、後で退色表現を施しますのでOKです。

プチ情報ですが、上部カバーにパーティングラインがあります。塗ってはじめて気づく程度の位置と薄さなので注意が必要です。

次にグリーンを塗っていきます。デカール付属のイラストでは左舷と右舷後部しか絵がありませんので、キットのカラー見本を参考にします。

幸い英国機は基本的には同じ迷彩パターンのようです。

【出典】文林堂 世界の傑作機

「世界の傑作機」より実機のMk.IXの写真です。迷彩の境界が、結構くっきりとしています。他の型の写真をみても、まるでマスキングしたかのような、くっきり境界の機体が多々あります。ただ、模型でそれをやると、おもちゃっぽくなってしまうので、ややぼやけた感じを目指します。私の場合、粘土材の使用や、型紙マスキングは面倒なので、フリーハンドで行かせて頂きます。

ボケ脚粗さを小さくするために塗料:薄め液=2:8ぐらいにします。エア圧は低めで、4往復で上の感じになるぐらいまで薄く作ります。機体を塗る際には10往復(20回なぞる)ぐらいしなければなりません。

塗り絵の要領で輪郭を濃く描きます。上の写真は、内側を濃いめの塗料で一気に塗る為に、幅を広く描きました。

内側を濃いめのグリーンで潰していきます。輪郭の境界に掛らないように注意します。

完了です。失敗した気はしませんが、ちょっとボケ度合が強くなってしまったでしょうか・・・。

迷彩完了です。退色表現としますので、多少のムラはOKとします。

ダークグリーンとオーシャングレーにライトグレイを少量加えた色で、退色表現を施します。欧州は曇りのイメージなので、退色は控え目にします。

【出典】文林堂 世界の傑作機

余談ですが、「世傑」によると、インベイジョンストライプはノルマンディーの前日に描かれたそうです。なので、実際は「判ればいい」程度であって、マスキングで描くのは「リアルじゃない」となってしまうかもしれませんね。あくまで模型ということでご理解ください。

最後に、黒のしましまを入れてインベイジョンストライプを完成させます。白の部分の全長を測り、割る5をし、しましま1本当たりの幅を決めます。大概、○.○○○と小数点以下の切れが悪い場合がほとんどです。その場合でも最低、小数点以下第2位ぐらいまでは気にしないと、上手くいきません。

インストをよく見ていなかったのが悪いのですが、嫌な予感的中です。バルジに境界線が来ます。バルジの中心であれば紙マスキングでも行けると思いますが、少し横にオフセットしたところに境界がありますので、2mmの曲面テープで処理します。

黒のしましま用のマスキング完了です。この後、2色迷彩の部分は紙やテープで覆います。その方が気楽に塗装できます。

やっぱりOBしています。きちんとマスクしたつもりでも、細部はこのような現象が多々発生するので、後で修正するしかありません。

下面です。各ストライプが上面とうまくつながるように気を付けます。

脚も作ってしまいます。5本スポークと4本スポークの選択をしなければなりませんが、Eウイングなので後期型と思われる4本を選択します。ゴムパーツでブレーキチューブまでセットされていますので、本当に楽です。

「世傑」のイラストも4本スポークで書かれています。まあ、私的に、完成後は気にならない部分ですが。

伸縮部にミラーシールを貼るぐらいしかやることがありません。

次にスピンナー、機体後部の帯を塗る、「スカイ」の色を作っておきます。機体の文字をデカールで仕上げますので、色合わせを行います。

写真のスカイ:白:緑:シアン=6:2:1.5:0.5ぐらいで大体同じ色調になりました。写真のシアンについてですが、クレオス製の色の源(もと)といって、3つの基本色、シアン、マゼンダ、イエローが発売されています。少量混ぜるだけで強い効果を発揮しますので、調色派の方は是非一度お試しください。私も最近は常用しています。

気分転換にエンジンを載せてみます。手前味噌ですが、ディティールアップが効果的です。記事にはしませんが、主翼前縁の黄色、プロペラの塗装もサクッと終わらせました。この後墨入れをして、デカールに入ってまいります。

【ウェザリング塗装】

黒で墨入れをしました。モールドがはっきりしていますので墨入れも非常に楽です。そして、次に汚しをかけていきます。ウェザリングカラーの茶色をランダムに塗っていきます。


そして、綿棒でスジを残す感じで軽く拭き取ります。

面槽筆で雨だれ汚れを表現します。

あまりきつく汚すのは好きじゃないので、「遠目ではきれいな機体」を目指します。上面はこんな感じでしょう。デカールを貼った後でもう一回ウェザリングしますので、とりあえずOKです。

実機写真を見ると、下面はオイル汚れで真っ黒な機体が多いですが、模型としてはこのぐらいにしておきます。駐機中にオイルがにじんだ雲形の汚れと、飛行中の気流で後ろに流された汚れを混在させるとリアルです。

【デカール】

お待ちかね(私だけ?)のデカール作業です。クライマックス的な感じがして、この工程は好きです。「ラウンデルぐらい描けよ」と言われそうですが、手描きマーキングにあまり意義を感じておりませんので、デカールです。今回使用のイーグルカルスのデカールは薄くて、インベイジョンの白が透けそうだったので、キットのものを使用します。最近はキット付属のデカールも、余白が最小限なので何の問題もありません。まずは、マークセッターをたっぷり垂らしてデカールを乗せ、しばらく放置します。

3分ぐらい置いたら濡らした綿棒を転がして、余分なマークセッターを押し出します。余り長時間放置するとデカールが溶けてきますのご注意ください。

マークセッターを完全に押し出すのではなく、気持ち残っている程度でまた3分ぐらい放置します。すると、凹凸部分以外はピンと張ってきます。凹凸の部分にしわが寄りますが、少し我慢して様子を見ます。5分以上たってもしわが消えないようであれば、軽く綿棒等で押し付けてしわを伸ばします。

今回のデカールは若干厚いので、少し押しつけが必要でした。30分ぐらいでこんな感じになります。余白も目立ちませんし、リベットモールドにも馴染んでいます。最終的にクリアコートした際に、再度押し付けてエッジやパネルラインを際立たせますので、とりあえずこの状態で乾燥させます。

下面もこの調子で~と思っていたのですが、そうでした、スピットの国籍マークの位置、嫌な位置でした。機銃の薬きょう排出口です。ディティールが良いので、でこぼこです。しかもバルジもあります。なんでここなんでしょう。実機でも描きにくいはずなんですが・・・。デカールはバルジの部分だけ別になっています。切り抜きのサイズがもう少し大きいと良いですね。破れてしまいます。

機体上面と同様に「放置+なでなで」を繰り返し、それでもしわがとれない場合はパネルラインに沿って切れ込みを入れたりして馴染ませます。

タッチアップが必要ですが、何とか見れるレベルでしょう。少なくとも、私の腕では手描きでもこれ以上にはなりません。ここで初めて気づいたのですが、下面の機銃下のパネル間違えました。薬きょう排出口の無いものにしないといけませんでした。しょうがないので後で修正しますが、だいぶガッカリです・・・。気を取り直して、他のデカールも貼っていきます。

プーさん?そういえば、アドルフ・ガーランドのメッサーシュミットにはミッキーが描かれていますね、欧州人はディズニー好き?

デカール完了です。一気にかっこよくなります!

細部を仕上げてから最終的なウェザリングを施します。

タミヤキットの唯一の難点がこのタイヤです。塗装しなくても良い前提なのでしょうが、パーティングラインを消すのに一苦労です。また、パステルぐらいしか汚しをかける手段がないのでウェザリング仕上げには不向きです。プラパーツも入れてほしいところです。



【細部の仕上げ】

キャノピーハンドルはエッチングです。クリアパーツ周りはプラスチックで頑張って頂きたいところです。

照準器は2分割になっていて、透明度も抜群です。バックミラーにはミラーシールを貼ります。

下面のライトです。まずミラーシールを貼ります。

透明パーツの裏側からクリアーオレンジのカッティングシートを貼って仕上げています。塗装よりも発色が良い気がしています。

機銃下面パネルもEウイングに修正しました。

最終仕上げとして、チッピングを細かく入れます。迷彩の部分はシルバーにダークグレーを混ぜたもの、インベイジョン等、明るい色の部分はダークグレーをそのままで塗っています。遠目では判らない程度が気に入っています。

写真ではあまり判りませんが、排気のすす汚れは、まず白を混ぜたサンディブラウンで焼けを描いてから、その周りを薄く溶いたフラットブラックで輪郭を描きます。

パネルライン、リベットラインに薄く溶いたダークブラウンを軽く吹いて完成とします。写真をクリックして頂くとギャラリーへジャンプします。ご覧頂きましてありがとうございました。



更新日:

Copyright© JUNSANのミニチュア航空博物館 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.