ハセガワ 1/72 H8K 二式飛行艇 製作記





ようこそ、二式大艇の部屋へようこそ!ウィキペディアを見ても、正式名称は二式飛行艇のようですが、個人的には「大艇」の方が馴染んでおります。日本が誇る飛行艇技術、今日においても世界一です。

発売されてしばらく経ちますが、新金型の二式大艇を作ってまいります。ハセガワは箱絵が綺麗で良いですね、ポスターとして販売したら普通に売れるんじゃないでしょうか。ポスターって古いですか??

【下調べ】

【出典】文林堂 世界の傑作機

今回の資料は「世界の傑作機」を参考してまいります。現在はお台場ではなくて鹿屋に行ってしまったようです。(知りませんでした・・ファン失格ですね。)しかし相変わらずの野外展示なのでしょうか。スミソニアンのようにしろとは言いません、せめて屋根ぐらいつけてあげてほしいです。

【出典】文林堂 世界の傑作機

余談ばかりで申し訳ありません、上の写真の記事を見つけて読んだのですが、基本的な構造は、二式大艇の時点で、ほぼ決定版だったようです。機体フォルムを見ても共通点がたくさんありますね。80年近くも前に、既にこのような飛行機を開発していたなんて凄いですね。誇らしく思います。

さて、製作に入りましょう。初めてのキットなので、まずはインストを眺めます。

機体外面の情報量が素晴らしいのが判ります。お値段は、現代スタンダードで、かなり高めなのですが、仕方がありませんね。少なくとも小学生が買える価格帯ではありません。まあ、最近はこんなの作る小学生いませんかね・・。

翼と胴体です。個人的に、1/72にしてはモールドが太いと思ってしまうのですが、素晴らしいです。スジボリのエッジも効いていて好感が持てます。主翼に関しては、外板の材質の違いまで表現してあります。こちらに関してもスケール感を損なわない、絶妙な表現です。

【製作開始】

早速作ってみましょう。飛行機にしては珍しく、翼から作っていくようです。今回は艤装は取り付けませんので穴開けはしません。本機に関しては、どうしても攻撃機というイメージがありません。どちらかと言えば、裏方の特殊任務用という気がしています。

まずは翼内に収めるランディングライトからです。この部品を別パーツにしたのは大したものです。せっかくなので、ミラーシールで存在感を出してあげましょう。今回は2.5mmの円で切り抜きます。

アップだと若干見苦しいのですが、ご勘弁願います。

適当な緑色を塗って翼内に収めます。この上に透明のカバー部品がつきますので違和感は無くなるはずです。

次にコクピットを作っていきます。ハセガワにしては珍しく、パイロットが付属しています。なかなか良い出来です。別売りのパイロットセットの完成写真を見ても、ちゃんと表情まで再現されています。

1/72をこのレベルで塗装するのはなかなか大変ですが、せっかくなので今回はパイロットも乗せてみます。

【機体内部の製作】

とりあえず、インテリアグリーンで塗る部品をすべて準備します。サイズが1/72なのと、格子窓なので、中はほとんど見えないし、パイロットも搭乗させるので、コクピットは特に追加工作をしません。

キット付属のキャノピーマスキングです。最近はキットスタンダードにしているメーカーが増えてきましたね。今回のような枠だらけのキャノピーの場合、私の場合ですが、うまく貼れません(ラインがよれよれします)ので、マスキングテープで処理します。

1/48 晴嵐 キャノピーマスク

原始的ですが、写真の様に光に透かしてデザインナイフでちまちまやります。

さて、コクピットの色ですが、今回の機体は川西製です。紫電改等と同様なのでしょうか。と言っても、よくは知らないので、「世界の傑作機」を見てみましょう。

【出典】文林堂 世界の傑作機

オリジナルではないと思いますが、いろんな緑があって絞り切れません。

【出典】文林堂 世界の傑作機

本誌によると、日本に返還直後の内部写真とのこと。かなり暗いグリーンですが、アメリカでいろいろ性能テストされていたみたいなので、塗りなおされている可能性も否めません。でも、オリジナルっぽくも見えますね。

【出典】文林堂 世界の傑作機

機首と隔壁です。隔壁の方が私のイメージと合います。

【出典】文林堂 世界の傑作機

この部分もカーキグリーンといった感じです。

【出典】文林堂 世界の傑作機

胴体中央部の銃座の辺りです。壁面は無塗装の様です。キットのインストもそのような指示になっています。銃座の配置ですが、B-17の様に、左右で位置をずらしてありませんので、両サイドに立って迎撃するときはお互い邪魔だったでしょうね。


現存機資料では悩ましいところが多いので、とりあえずネットで漁ってみたところ、オリーブとカーキ系が強い感じの緑でしたので、暗緑色とオリーブドラブを1:1で混ぜて、ライトグレーを少し足して塗ることにしました。これも個人的な意見ですが、機体内部は暗めに塗った方が、完成後に全体が締まる気がしますので、ライトグレーはごく少量です。

機体中央部です。側壁だけ無塗装というのも、しっくりきませんがインストに従います。軽く墨入れ、床面はシルバーでドライブラシをして終了です。

次に機首内部です。

よくできてますが、完成後はほぼ見えないでしょう。よって緑を塗って終わりにします。

計器類はデカールで再現されています。リアリティは無いですが良しとします。


仮組して、内部がどの程度見えるのかを確認します。機首は枠有りの半球形の風防がつきますので、ほぼ見えないでしょう。側面の小窓からは決して見えません。操縦席は結構見えますね。パイロットを乗せない場合は、シートベルトがあった方が良いと思います。

銃座周りですが、半球形の窓と機銃が付くので、あまり見えないかもしれません。内部を作り込む場合はカットモデルにでもしないと徒労になってしまうかもしれませんね。

【機体の組立】

内部に関しては、特に追加工作は無いので、さっさと接着してしまいます。仮組の時点で判っていましたが、パーツ同士の合いは、かなり良好です。ハセガワさんなので、失礼ながら、ここはあまり期待していなかったのもあって、少しテンションが上がります。

下面も全く問題ありません。翼と胴体もパチピタです。

サクッと形になりました。機首の部分もばっちり合います。加工途中の写真を撮り忘れていましたが、1/72製作におけるマストポイント、端部の薄々化もそれなりに施しました。小さいスケールでリアリティを出すには、この工作はかなり効果的だと思います。それにしてもカッコいいです。不細工ですがカッコいいです。何処か、このぐらいの完成度で、1/48のキットを出してくれないでしょうかね。置くとこないか・・・。

【出典】文林堂 世界の傑作機

余談ですが、「世傑」でこんな記事を発見しました。木製でこんな発想をしてしまうのですから、すごいですね。「風の谷のナウシカ」に出てきそうです。

【細部の工作】

さて、サンディングまでの間に細部を作ってしまいましょう。まずはエンジン回りです。1/72なので悩みましたが、何もしないのも面白くないので、プラグコードだけ再現します。

おもちゃ用の電線(モーターのコードとか)をバラして代用します。写真左側のようにV字に折り、クランクケースの基部に0.3mmで穴を開けて差し込みます。接着は瞬着です。火星エンジンの良い写真が手持ちに無いので、文字だけで恐縮ですが、1シリンダー2プラグとして製作します。

いわゆるチラリズムでしょうか。プロペラがついたらほぼ見えない気もしますね。

翼下のフロートです。パーツ分割方法がナイスです。

サンディングに入ります。私の合わせ方が悪いのか、整形するとほとんどのスジボリが消えてしまいますので、0.1mmのラインチゼルで掘りなおします。



【基本塗装】

機体の整形が終わったので、塗装に入っていきたいと思います。

インストを眺めると、下面色がシルバーの指定です。シルバー・・・??この時期の機体で無塗装はあり得ないし、まして、水上機で無塗装もあり得ません。ネットを20分ぐらい漁って、「量産機は明灰白色」という文言を見つけましたので、先入観通りのグレー系で塗ることに決めました。

退色等も考慮して、128番を少し混ぜて、黄色っぽいグレーにすることにします。

この写真ではよくわかりませんが、少し黄緑がかったグレーにしました。

識別帯の黄色を塗って、上面のグリーンに備えてマスキングします。インストに従っているのですが、主翼の付け根が微妙にムズイです

資料本には川西系緑とありますが、主観で青味の強い緑にしようと思います。運悪く、暗緑色を切らしていたので、調色することにします。近い色で、ドイツ機用のブラックグリーンが余っていましたので、それをグレーグリーンで少し明るくして、色の源を混ぜて日本機風暗緑色を作りました。

個人的には満足の色調です。緑色自体は気に入ったのですが、そのままではつまらないので、外板の彫刻を活かしてガッツリ汚しをかけたいと思います。

【ウェザリングとデカール】

【出典】文林堂 世界の傑作機

「世傑」より実機写真です。横浜の根岸だそうです。たまに車で近くを通るのですが、何だか感慨深いです。この写真で見る限りでは、機体上面は結構焼けてますね。

写真だけではなかなかイメージがわかないので、とりあえず、羽布張り部分を明るくしてみます。全面を塗った緑にライトグレーを混ぜて塗るだけです。今回はリアリティ無視で、あえてマスキングで境界線を際立たせてみます。

次に、さらに明るい緑でランダムに退色させていきます。羽布部が目立たなくなるようにかぶせていきます。パネル表現が素晴らしいので、部分的にマスキングを利用してパネルの際を立たせます。(実機ではありえないとは思いますが模型的演出です。)

全体的に施します。現段階では、まだちょっと「汚い」感じが強いでしょうか。

墨入れを兼ねて、黒で全体的にウォッシングします。写真ではあまり感じられないかもしれませんが、少し全体のトーンが落ち着きます。

下面です。拭き残しを意識して墨入れをします。綿棒でチマチマやっていく感じです。

一気にデカールへと進みます。日の丸なので描こうかとも思いましたが、キットの日の丸の赤色が私的にはストライクな感じの色調でしたので、「デカールを使用」にします。いつものようにマークセッターを塗って貼ります。タミヤの様に厚い感じはしませんが、3分ぐらい放置します。


余白はほとんどありませんが、その部分がシワシワしてきたら綿棒を転がしてマークセッターを押し出します。全部押し出さずに、少し残る感じで軽く押し出します。

10分ぐらい経ったら濡れた綿棒を転がして、少し強めにデカールを押し付けます。モールドがくっきり現れたら成功です。パネルラインが細くてくっきり出にくいので、爪楊枝で軽くなぞっておきましょう。

ウォークウェイ(?)を貼っていきます。幸い、ガッツリ余白付きのデカールなので、余白のついたまま、マークセッターを付けずに貼ります。余白が無いと、まっすぐ貼るのは至難の業となります。ここは「よく御分りで」といったところです。

余白の部分の余分な水を押し出して、半乾きの状態で余白をデザインナイフで切り取ります。デザインナイフの刃は、一か所終わる毎に交換する位の勢いの方が失敗しません。ちょっとでも引っかかるとせっかくのまっすぐラインが台無しになる場合があります。余白を除去したら上から「軽く」マークセッターを塗っておきます。この時に、若干シワシワすると思いますが、触らずに放置しましょう。下手に触るとよれてしまいます。乾いたらまっすぐピンと張りますので心配しなくても大丈夫です。

ステンシル類も貼っていきましょう。給油口(?)の赤が少しビビッド過ぎますので、あとでトーンを落とします。

 

隔壁番号(?)は、つながりデカールなので、ウォークウェイと同様に張った後で余白を切り取ります。

プロペラの黄帯は主翼の見方識別帯と同じ色にしたいので、塗装で再現します。プロペラの羽全体を黄色で塗って、細切りマスキングテープで養生します。

個人的なイメージなのですが、プロペラの色は赤味の強い茶色にしたいので、艦底色とレッドブラウンを2:1ぐらいで混ぜ、スケールエフェクトを考えてライトグレーを少量混ぜて塗りました。

パイロットも塗装して着座させてみます。1/72なのに頭と手が別パーツなので、動きをつけられます(凄い!!)接写できる完成度ではないのでちょっと遠目です。顔も彫刻が素晴らしいので、塗り分けしなくても十分見れます。全員配置は面倒なので、コクピットに4人のみとします。

副長「田中が浜でウミガメを捕まえたらしいですよ」 機長「そりゃいい、晩飯がたのしみだな」
指揮官「ありゃ~内地から送ってくる缶詰の肉よりずっとうまいからな~」 通信士「丹波哲郎ですかっ?!」 先日、昔CSで録画した「零戦燃ゆ」をみつけて観たんですが、ウミガメのくだりりが頭から離れません。

【外装の組立と仕上げ】

デカールが乾く間に外装の小物を作っていきます。

まずは補助フロートです。エッチングの存在を知りませんでしたので、今回は自作でやってみます。エッチング前提で、ちゃんとガイドがあるので助かります。0.3mmで穴を開けて伸ばしランナーを接着します。筋交いの部分は支柱基部に穴を開けてランナーを通します。

主翼下面です。こちらにもエッチング取付用の小さな穴が開いています。

伸ばしランナーで組んでみたのですが、ピンと張りませんので、翼との接合線はメタルリギングにしました。

基部のガセットのようなものは0.1mmプラペーパーです。フロートの支柱が「やわ」なので、テンションの掛け方が難しく、全部の線をピンと張るのは、かなり難しいです。ここはおとなしくエッチングを使った方が良さそうです。


機銃たちです。先端がラッパ状になっている20mm機銃の先端はピンバイスで開口しておきます。7.7mm機銃の開口は私の目では無理です。

胴体左右の銃座です。窓の透明度はOKです。プラの厚みがもう少し薄いとありがたいですね。何も考えていませんでしたが、この窓、内側から接着するようになっています。片方は可能でしょうが、もう片方、うまくいくのでしょうか・・・。

後部の20mm動力式銃座です。スケールの割にはディティールがよくできていますが、厚みがちょっとオーバースケールな感じです。風防が付けばあまり目立たないと思うのでそのまま行きます。

少し前後します。この日の丸の突起部分もデカールが用意されているのですが、きれいに貼れる気がしませんので塗装でカバーします。クレオスのシャインレッドに少量ホワイトを混ぜたらビンゴでした。

写真にすると若干違いますね・・・。肉眼では同じに見えるのですが・・・。

この後、3日ほどおいてクリアーをかけます。最初に光沢クリアーをかけて、デカールと塗装面の艶を同じにした後、フラットクリアーをかけていきます。今回の機体マーキングはラバウルのものなので、カサカサの艶消しでも違和感はないかもしれませんが、個人的趣向で、カサカサではなく、少し艶がある感じにしてみました。

クリアーが終わったらウェザリングをしていきます。

排気汚れをやや強めにします。タンで焼け色を描いた後、ブラックで輪郭をなぞります。そのまま翼の後縁まで煤けさせますが、後縁に行くにつれてエアブラシを離して薄くしていきます。

排気を描いたらダークブラウンでパネルライン等をなぞって模型的演出をします。チッピングも一緒にやっていきます。アクセスする部分を中心に施します。極細面相筆の先端でチョンチョンと軽く触る感じで施します。給油口の赤がやっぱり気に入りません。ダークブラウンでトーンを落としたつもりなのですが、数が多いので妙に目立ちますね。

下面です。排気汚れを描いた後は、墨入れの拭き残しをなぞり、コントラストを強める程度で終わります。

側面のチッピングはドア周り、船底周辺にうっすら描く程度に留めます。面積が大きいので全体的に施すのはしんどいですし、1/72なのであまり目立たない方がリアルに感じます。

エアブラシ工程が終わりましたので、窓を付けていきます。意外と窓の数多いですね。

後ハメ式なのはありがたいのですが、いかんせん小さいです。楕円形の窓なんて、米粒よりも小さい部品にゲートが3か所です。バリ取りだけでも大変です!しかも予備が無いので、ピンセットで飛ばしたらアウトです。予備入れてほしいです!

小窓に1時間ぐらいかかってしまいました。幸い紛失は有りませんでしたが結構つらい作業でした。大きなクリアパーツもつけていきます。上部銃座のクリアパーツは成型時の細かい傷?がある感じで、若干曇っています。胴体左右の出窓も心配でしたが、意外と簡単につけられました。

尾部銃座です。こちらの透明度は良いです。

コクピットです。全体的に透明度は良いのですが、後端部、内側左右に擦り傷の感じで曇りがあります。1000番のスポンジで削ってコンパウンド掛けましたが、完全なクリアーになりません。成型時のきずのようで、かなり深いのかもしれません。今回は目立たない程度で妥協します。それにしてもパイロットがほとんど目立たなくなってしまいました。残念。

車輪たちです。こちらも手抜き無しでちゃんと再現されています。こちらは取り外し可能な形にしておきたいと思います。

アンテナに伸ばしランナーで張り線をして完成です。補助フロートの張線でてこずりましたが、それ以外は非常にスムーズに組める好キットだと思います。何はともあれカッコいいです。ユニークで存在感抜群ですね。よろしければギャラリーにもお立ち寄りください。写真をクリックして頂くとギャラリーへジャンプします。またのご来館をお待ち申し上げます。















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