ハセガワ 1/72 エリア88 F-20 製作記





今回は、エリア88のF-20タイガーシャークのご依頼を頂きました!アニメ系は滅多に作る機会がないので、少し緊張しますが、幸い(?)にも、ご依頼者様から「やや強めのウェザリング」のご指示を頂きましたので少しほっとしました。(決して誤魔化そうという意図はありませんので。)ですが、白い機体のウェザリングですので、あまり楽観もできませんね。2019.1.15

下準備

まずは箱絵のご紹介です。多分ですが、再販は無さそうですよね。ファンの方にとってはお宝なのでしょう。それにしても、最近こういう漫画少なくなりましたよね。

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さて、F-20自体、実機においてはそんなにメジャーな戦闘機ではないと思っておりますが、私の中の「ザ・ジェット戦闘機」の体をなしており、カッコいい機体だと思います。

今回はただ組み立てるだけではなく、「コンパチ仕上げ」つまり、飛行状態/駐機状態、ウェポン有り/ウェポン無し、キャノピー開/閉を1機の完成品で再現することとなりました。ただ、私の技量で、しかも1/72で各部可動及び脱着可を再現するのは厳しいので・・・・

もう1機分のキットを御支給頂きました!主翼を差し替え式にしてしまえば、飛行状態/駐機状態に関しては、割と楽にできそうです。アイデアまでお客様に頂いてしまいました。ありがとうございます。

ハセガワ 1/72 アメリカ空軍 F-20 タイガーシャーク プラモデル B3

早速とりかかりましょう。

いきなり余談で申し訳ありません。デカールだけで1700円って!?アマゾンなら定番品のF-20のキットを2個買っても1300円です・・・。エリハチ版権、そんなにするんでしょうか・・・。それとも、ここでも儲けたかったのでしょうか・・・。

機体の製作

気を取り直して進めます。コンパチに関係する部分は外装だけなので、とりあえず胴体はそのまま作ってしまいます。

古いキットなので、コクピットはあっさりしています。ライトグレーで塗って、インパネ類はデカール仕上げです。デカールですが、細かくメーター、スイッチ類が再現されています。十分な仕上がりと言えるでしょう。

前後してしまいましたが、胴体貼り合わせはバッチリ合います。しかもこのキット、スジボリでした。修正が楽で助かりますね。まあ、凸モールドでも、この位ピッタリ合ってくれれば何の問題も無いのですが・・・。

胴体の接着が乾く間にコンパチにする部分を確認しておきましょう。

まずはキャノピーです。シート後ろの部分が確実に干渉するでしょうね。悩ましい・・・。

ノーズの前脚は差し込み式にして、脚庫扉を差し替え式にしましょう。主脚は翼ごと差し替える形にします。エアブレーキも前脚同様に、開状態、閉状態をそれぞれ作って差し替え式にします。

艤装です。翼とパイロン、パイロンと艤装はそれぞれを脱着式に加工します。スケールが小さいので、ミサイルなどを外した際の、パイロン側の工作が限られますがおもちゃっぽくならないように頑張ってみます。

それでは進めてまいりましょう!まずは、キットで想定されていない、飛行状態の部分から作っていきます。

案の定、脚カバーはそのままでは脚庫にはまりません。ただ、そこそこ合っていますので、少し削れば済みそうです。

脚庫のモールドと、カバーの内側を削って合わせていきます。

形が単純なので割と楽に整形できます。翼とカバーの接着しろの部分は全く合いませんので、切り飛ばしてしまいます。

隙間はプラ版で隙間を埋めてしまいます。実機にはこの部分は無いと思います。後でパテできれいにします。

次に、主翼の合わせをします。その前に、インテイク部分を作ってしまいましょう。吸気ブレードなどは再現されておりません。まあ、1/72ですし、吸気口も小さいので見えないでしょう。黒く塗って終了です。

インテイク周りの部品たちです。傷と押し出しピン跡が激しいです。多分見えませんが、一応削っておきましょうか。

小さいスケールでの注意点ですが、板状の部分を可能な限り薄くします。これだけでスケール感がぐっと上がります。他には脚カバー、吸気口の淵などがあります。

インテイクカバーをつける前に、胴体と主翼の相性を確認しておきます。このキットはいいですね、ほとんど隙間が空きません。

反対側もばっちりです。

インテイクカバーを付けて主翼を合わせてみます。若干不自然な隙間ができますが、サンディングで何とかなるレベルでしょう。普段は隙間にパテなどを盛って整形できるのですが、今回は主翼は取り外し式にしなければなりませんので、主翼側に隙間ができないように注意します。カバーの上部にやや段差ができてしまいますが、盛って削ればいくらでも整形できますので無視します。

2日ぐらいおいてサンディングに入ります。が、その前に、接着面付近のスジボリが、サンディングで確実に消えるパターンですので、0.1㎜のラインチゼルとハイキューのスジボリガイドテープで掘りなおしておきましょう。

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2019.1.17

さて、3日ほどおいて接着が乾きましたので、接合面のサンディングに入っていきましょう。

下面は割とくっきり筋が入っていたので、大丈夫かと思いましたが、綺麗に無くなってしまいましたので掘りなおします。

サンディングが終わったので、細かいところも見ていきます。エアブレーキの合いは良い感じです。

機銃は開口しておきます。

HUDが懐かしい感じです。キャノピーにフレームが無く、非常に目立ちますので、少し手を入れます。

良い画像が見つけられなかったので、F-14を参考にでっち上げます。塗装後に透明プラ板を取り付けます。

コンパチ用の工作

続いて主翼の加工に入ります。脱着可能で、かつスケール感を損なわない様に加工しなければなりません。

べたですが、真鍮棒を使ってジョイントさせます。

合体させてみます。上面は良い感じです。真鍮棒を刺す穴が若干ずれているのか、はめ込むのに少し力が要ります。おかげで全くガタつきません。

下面です。接写だと目立ちますね、後で少し削ってみます。

続いて艤装のジョイント部も作っていきます。

胴体タンクの取付穴が大きすぎるので、これだとタンクを外した時にかっこ悪いですし、この穴径に合う真鍮棒が手持ちにありませんので、一旦埋めて開けなおします。

貫通穴なので、伸ばしランナーで埋めます。

主翼下面の穴も大きすぎます。ここにつくパイロンの幅と同じぐらいありますので使えません。ここは貫通していないので、瞬着で埋めて開けなおしましょう。それにしても、翼の厚みが2mmぐらいしかありません、上手く脱着式加工できるでしょうか。ちょっと注意が必要です。

艤装側です。0.5mmの真鍮棒です。スケール的にこのサイズが限界です。ちょっとでもズレるとパイロンをダメにしてしまうので、飲みながらでは厳しい作業です。( ´∀` )

2019.1.20

翼端のサイドワインダーも工作していきましょう。

増槽等と同様に0.5mm真鍮棒でジョイント部を作ります。ランチャーの幅が1mm程度なので、それ以下の穴を掘ります。非常に神経を使います。息止まります。因みに、ミサイル側の接着しろ(えぐって有る部分)は瞬着で埋めておきましょう。ランチャー側のでっぱりも同様に削っておきます。

まずまずです。意外とかっちりはまります。

全部つけてみます。パイロンと翼の間に若干隙間がありますが、これが限界です。実機にも隙間はありますのでご了承下さい。

もう少しだけ、細かいところを見ていきます。まずは、キャノピーの開閉です。キットのまま作ると、写真の様に全く風防が閉まりません。

インストでは、キャノピー閉状態の場合はシート後方の造形物を取り付けないようになっていますが、さすがにおかしいので、取り付けた状態でも閉めれるように改造します。と言っても、風防が当たらないようにカットするしか無いんですけどね。

幸い、2機分のキットがありますので、開状態の部品、閉状態の部品の2種類作ることとします。

まずは開状態。写真のアーチ型のところにガラスが付きます。インスト通りだと閉状態の場合はこのパーツも撤去しなければなりませんが、あまりにもスカスカになって、みっともないですよね。

続いて閉状態です。操作アームを一度切り離して、格納状態っぽく取り付けてみました。個人的にはそんなに違和感ないと思うんですが、如何でしょうか。

あと、忘れがちなのですが、排気ノズルも薄々攻撃しておきましょう。実機では本当に紙の様に薄い板で出来ていますので、それっぽくしましょう。

ついでに脚カバーも。

塗装開始

それでは、いよいよ塗装に入っていきましょう!

まず、ホワイトはいいとして、問題はブルーです。指定色はブルーエンジェルスの青です。ところが、デカールの青はどちらかと言うと、水色に近い青なんです。まあ、いつものことですが・・・。もう少し近い色で検討いただけると助かります。しかも1,700円。しつこい。よって、青白の塗り分けは全塗装です。

まずはババーっと白を塗ります。ピュアホワイトで塗っています。モールドが微細なので、希釈率に気を使います。ウェザリング仕上げにするのでまだ楽なのですが、綺麗仕上げだと、本当に大変です。これだけで半日作業です。

続いて青を塗っていきましょう。「一気にマスキング方法」だと失敗したとき痛いので、場所ごとに順に進めていきます。

砂吹きの感じで進めないと、スジボリ部の白が浮いてきます。後で墨入れすればよいのですが、パネルラインのエッジだけは墨が乗りませんので、エッジにも確実に青を乗せるように注意します。

基本の青に若干白を混ぜた色で退色表現を施します。あまりガッツリやるとイメージが崩れる恐れがありますので控え目にしておきます。

続いてストライプを入れます。デカールから幅をとってマスキングします。幅は0.9mmぐらいです。

上部の青に入っていきます。塗り分けラインは、インストの情報だけでは厳しいところがありますので、キットの箱の横に掲載されている完成写真も参考に決めています。メーカー完成写真はちゃっかり全塗装でやってあります。(色から推測しているだけですが。)

上手くいきました。ストライプの淵など、若干修正するところは有りますが、マスキング塗装なので仕方ない部分だと思います。1/72だと1/32では全く気にならないところが非常に目につきます。やっぱ小さいのは難しいですね。

デカールと仕上げ

さて、墨入れをしてデカールを貼っていきましょう。

ウェザリング仕上げにしますので、全体的にウェザリングカラーを塗りたくります。この後、綿棒でスジ、ムラを残すイメージで拭きとっていきます。

写真でお伝えするのが難しいのですが、肉眼でかろうじて見える程度のスジ、ムラに留めます。このスケールで、しかも機体が白ベースなので、あまりやるとおもちゃっぽくなってしまいます。

デカールを貼っていきます。限定品なので、部品請求もできないでしょうから失敗できませんね。できても1,700円も。緊張します。

成功です。垂直尾翼のユニコーンが意外と透けなかったので良い感じです。機種のタイガーシャークの文字が水色っぽいので、乾燥後に濃紺でオーバーコートして色調を近づけましょう。

小物を取り付けて完成

デカールが乾いたので、最終仕上げに入ってまいりましょう!まずは細かいところを仕上げていきます。

シートが赤なので、エアブラシで塗ります。筆は下手なので、こういう色はゴテゴテになってしまうんです。

前脚は真鍮棒で脱着可能な形にします。0.8mmの真鍮棒を脚柱にさしてから、機体側の穴に合わせて真鍮パイプを上から差し込んでいます。

前脚庫のカバーを作っていませんでした。脚庫が浅いので脱着方法に悩みます。因みに、脚柱と一体になっているキットのカバーは一回り小さいのですが、このままにさせて頂きます。

カバーはプラ板で作ることにしました。脱着方法は安易ですが、テープ止めにします。下手に工作しても脱着が難しくなりますし、この方法であれば、お客様でも修復が容易だと思いました。

装着するとこんな感じです。まずまずです。

HUDですが、掃除をしていたらジャンクパーツを見つけましたので、どの機体かはわかりませんが、米軍機なのは間違いないのでこちらに換装します。良い感じです。

シン・カザマ・・・・?この当時のフィギュアは厳しいですね・・。改造できるスキルがあれば良いのですが申し訳ございません。あと、パイロットは接着しません。コクピットが広いので、後から脱着可能です。

ウェザリングをしていきましょう。

ウェザリングカラーの茶色を適当に塗ります。オイルが漏れそうな場所を重点的にします。

うっすらスジが残るぐらいに綿棒で拭きます。その後黒を塗ってすす汚れを再現します。

きつめのウェザリングをご指示いただいたのですが、機体が白なのと、劇中のイメージが先行するせいか、どうしても違和感がありましたので、とりあえずこの程度に留めます。この後エアブラシで汚しを入れていきます。

肉眼ではもう少し煤けているんですが、写真ではこんな感じです。

機首の文字の部分ですが面相筆で上から機体上面の青を塗りました。自分ではほぼ違和感ないと思うのですが、如何でしょうか。

キャノピーを取り付けます。若干隙間が空きますね、あとで見えてしまう部分にブルーを塗って目立たなくしましょう。

キャノピー開状態はこんな感じです。

上面全景です。

完成!です。初めてのコンパチ体験でした。スケールが小さいので大変でしたが、それなりにうまくいったのではないでしょうか。

【完成画像】


1/72アクトハセガワ エリア88 F-20タイガーシャーク シン・カザマ


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