キネティック 1/48 C-2A グレイハウンド 製作記




製作記が遅くなって申し訳ございません。今回はキネティックの1/48 グレイハウンドのご依頼を頂きました。どちらかと言えばマイナー機の部類かとは思いますが、空母への人員輸送機として活躍した機体です。キネティックはどこかマニアのツボを押さえた機体選択で、個人的には好感が持てるメーカーです。

【出典】ウィキペディア

【前置き】

それでは内容の確認をしてまいります。

写真では今一つ伝わらないと思いますが、(;^ω^) 機体の大きさも相まって、ランナーだけでもかなりのボリュームです。

パーツのモールドはやや大味であっさりとしています。

お決まりの梨地肌と豪快なヒケが制作意欲を削いでくれますね~( ´∀` )~

デカールは余白も無く、発色も良く、とても良い感じがします。あとはマークソフターが全く効かないような硬いデカールでないことを祈ります。

クリアーパーツは透明度も高く好感が持てます。

全体的には組みやすそうな感じが全くしない、手腕と問われるタイプのキットの気がします・・・(;^ω^)

【機体内部の製作】

それでは早速進めてまいりましょう。

まずは胴体内部のパーツを切り出します。ハッチクローズであれば客席部は塗装も不要な感じだと思われますが、今回は全て開状態での製作なので、後部構造物も丁寧に(?)仕上げましょう。

とりあえず、ハッチ開状態でどの程度中が見えるかを確認します。インストを眺めても、ハッチがどのぐらいの角度で開くのか、どういう風に開くのかが良く判りませんので、ネット動画などで確認します。

まずは操縦席から仕上げていきます。インパネ、サイドコンソールともデカールは付属しませんので塗り分ける必要がありますが、インストでは塗装指示がありませんのでこちらも可能な限りネットで画像などを漁って確認する必要性があります。塗り分け、ちと面倒です。(;^ω^)

シートもちょっと違うよね・・・といった感じのする造形となっております。(;^ω^) そのままではあまりにも・・・・な感じがしたので、ジャンクパーツからシートベルトを追加しました。

客席です。どこまで見えるか判りませんがとりあえず塗り分けてみます。白はエアブラシで拭いて、座席の青はエナメルで筆塗です。

客室床面、側面はとりあえずインスト指示に近い色で塗装しました。動画とかを見ているともっといろんな色が確認できますが、造形もあっさりしていますしこんなもんで十分かなと思います。

後で気付きましたが、最前列、2列目ぐらいまでしか見えないですね、これ。

全景ではこんな感じになります。

次に胴体を貼り合わせますが、忘れずに錘を仕込んでおきます。キット指示では50gですが、怖いのでちょっと多めに入れておきます。

合いは悪くないのですが、貼り合わせに際し、昔のキットみたいに少し力が要りますので、瞬着パッチで固定しながら進めてまいります。

下面も同様です。

主翼の下面が天井を兼ねるみたいなので、該当部を客席インテリアと同じ白で塗っておきます。

主翼上面ですが胴体との接合部は結構な隙間ができてしまいます。(;^ω^)

下面側は意外とぴったり収まります。こちら側の整形は大変なのでこれは助かりますね。

というわけで、士の字とはいきませんが、とりあえず胴体部完成です。1/48中型機だけあって、これだけでも結構ボリュームがありますね!

【機体の整形】

こんにちは!今回は各所の組み立てと全体の整形から進めてまいりましょう。

胴体と主翼のつなぎ目です。隙間には瞬着パテを流しておきます。隙間を埋めて成型するだけでは胴体と主翼のつながりが不自然なので、パテ盛整形も必要そうですね・・・(;^ω^)

各部の盛大なヒケも、サンディングだけで追い付かない場合は瞬着等で均す必要があります。

動翼部の避雷棒は後で金属に置き換えましょう。

エンジンナセルを組み立てます。インテークダクトはパテでつなぎ目を消します。径が小さい上にまっすぐじゃないので大変です。脚庫天井部の押し出しピン跡はプラペーパーを貼って処理します。ここはパテ埋めで処理しても時間がかかる割にきれいに仕上がりませんのでちょっと横着をします。( *´艸`)

主脚柱はインストを見ても左右の別が付きませんので実機写真を見ながら確認する必要があります。

サイドパネルはバリエーション替えのため選択式ですが、きれいに収まりませんので、一度瞬着で隙間を埋めて整形する必要があります。

ナセルだけでめちゃめちゃ時間がかかります・・・。(;^ω^) サイドパネルのボルトはもともとは凸モールドで再現してありますが、整形で消え去ってしまいますので、ピンバイスで穴を開けて、凹モールドに変更しております。<(_ _)>

レドームのライトニングアレスターはそのままでは太すぎる気がしますので、いつもの様に伸ばしランナーで細くしておきます。(施工後の写真を撮り忘れましたので完成写真にてご確認ください。)

下面も上面もサンディングでモールドが消えてしまいますので、適宜スジボリし直します。ほとんどが直線なので助かりました。

接合部周辺の整形が終わったら全体の梨地肌をつるつるに仕上げます。1000番スタートでは埒が明かないので600番から進め、15000番で完了です。(;^ω^)

ナセルを主翼に取り付けます。先に取り付けてしまうと内側の塗装が大変なので正直迷いましたが、接合部の整形無しではちょっと残念な仕上がりとなってしまいますので仕方がありませんね。

キャノピーですが、思いのほかピッタリですので、ここは塗装してから取り付けることにします。これだけ多くの開口部があると、どんなに注意してマスキングしても塗料の粉が回り込む可能性があります。キャノピーが汚れているのだけは許せないのでご了承ください。<(_ _)>

サイドの部分は選択式となっています。結構な隙間が発生してしまいますのでパテ埋めして均します。

というわけで、一通りパーツを整形しました。もう、お腹いっぱいです!!ここまでかかった時間で、タミヤのトムキャット、素組で1機出来てしまうんじゃないかってぐらいです。(;^ω^)

それでは塗装~!・・・と行きたいところですが、今回はサフを吹いて再確認をします。今回は不安が多々残っておりますので・・・(;^ω^) サフはクレオスの1500番手の白サフです。キメが細かいので気に入ってます。

ぱっと見ではきれいに整形できた様に見えても、サフを吹くと微妙な段ちや、小さな穴などが浮かびあがってきますので何度でも修正します。ちなみに、胴体下面の窪んだモールドにはプラペーパーを貼ってつなぎ目を隠しております。<(_ _)>

というわけで、下地処理完了です。結局、サフ吹き&整形で、丸1日ぐらい時間を使ってしまいました。(T_T)/~~~

【塗装とデカール貼り】

それではお楽しみの塗装を始めていきましょう。

まず初めに下面と上面をクレオス316番ホワイトで塗装します。この後クレオス315番グレーで塗り分けるのですが、直線で塗り分ける部分はマスキングで処理します。

垂直尾翼の日章旗風マーキングは塗装で再現します。デカールの方が境界線は綺麗なのですが、結構な凸凹面に貼るのと、黒字に黄色のデカールでは発色に懸念が残りますので塗装としました。

そこそこ上手くいきました。微修正をすれば問題無い感じです。( ´∀` )!

基本塗装完了です。下面側の波模様はフリーハンドで塗り分けております。ぱっと見地味な感じな塗り分けなのですが、膨大なマスキング処理が必要です。(;^ω^)

次にフラップ周りの赤を入れていきます。これまた、割と手間がかかります。

いつもの様にテンプレートを使用してまだら模様を描いておきます。基本の塗装色にほんの少し茶色と黒を混ぜたものを、うっすらと乗せておきます。

今回は艦載機(?)なのでいつもよりも少しだけ強めの汚しにしたいと思います。この段階でも認識できる程度の斑とします。

ウェザリングブラックでウォッシングをします。

時間はかかりますが、綿棒で汚れを描くイメージで拭きとっていきます。個人的にこの作業が一番楽しく感じます。なんか妙に没入できます。(;^ω^)

続いてデカールです。マークセッターだけで細かなモールドにもきっちり追従してくれます。デカールはよくできています。

現用機の割にデカールは少なめで、また質が良いので小一時間でデカール作業は完了です。ウォークウェイがきれいすぎるので後で機体の汚れと馴染むようにしておきましょう。

【細部を仕上げて完成】

それでは細部を仕上げて完成まで進めてまいりましょう!

まずは脚部から。ここも少し大味な感じがしますが、そこそこ忠実に再現されていますので、ソフトワイヤーでパイピングをしておくに留めます。

脚庫カバーは艦載機恒例の赤フチ大作戦です。この作業はとっても嫌いです。( ´∀` )

脚とカバーをナセルに取り付けます。カバーに関しては、そのままではタミヤのようにぴったり来ませんので、実機写真と睨めっこしながら角度を決めなければなりません。(T_T)/~~~

主翼を折りたたんだ際に使用するキャッチクランプ(?)の部分です。

ここは非常にうまく再現されています。せっかくなのでパイピングしておきます。

 

主翼下面の煤汚れは薄い感じにしておきます。

実機では真っ黒く煤けているものが多いのですが、模型ということもあり、バランスを考えて薄くしました。

主翼を取り付けます。ここはぴったり収まります。( ´∀` )

主翼の折り畳み部です。

ここはキットストレートですが、かなりの再現度です。肉眼では全く問題ないと思いますので、塗り分けのみで完了といたします。<(_ _)>

乗降用ハッチ部です。アクチュエーターの伸縮部を金属線で細くしておきます。階段部分には軽め穴(?)を開けておきました。

リアのハッチ部分です。前段でも述べましたが、赤フチ付きの部分は、インストではどのように取り付けるのかが全く分かりませんので、実機写真を参考に取り付けます。(イモ付けです。<(_ _)>) メインハッチはキットのなりで取り付けています。

下面の小部品たちもインストだけでは取り付け位置が不明なので、こちらも実機写真を参考にしています。

プロペラは現代的な8枚ブレードです。先端は蓄光塗料(?)バージョンとし、少し緑がかった白で塗装しております。

動翼部の避雷棒は0.3mmの真鍮線に置き換えました。

最後にアンテナ類を取り付けて完成!! です。!( ´∀` )! いやー、正直、久々に大変な思いをしました。中華キットなので、ある程度は覚悟をしていましたが、それでも投げ出したくなるぐらい大変なキットでした。(;^ω^) しかしながら、一般的にはマイナーなこの機体を1/48でリリースするこのメーカーには敬意を表したいと思います。1/48のサイズ感も相まって、非常に迫力のある仕上がりとなったと思います。画像をクリックしていただくとギャラリーへジャンプします。またのご来館をお待ち申し上げます。ありがとうございました。












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