こんにちは!製作記の掲載が遅くなって申し訳ございません。今回はタミヤの1/32スピットファイアのご依頼を頂きました。MK.16は戦闘爆撃機として活躍した機体の様です。短く切った主翼と水滴型キャノピーが特徴で、有名なMK.1などの見慣れたスピットファイアとは一味違った魅力を持っている機体です。
【前置き】
それでは早速今回の製作仕様を確認してまいりましょう!
今回はこのマーキングにて進めてまいります。1945 夏 ドイツとありますので、バチバチに戦っていた機体ではないようです。
エッチングもフルで御支給頂きました。(;^ω^) ウレシカナシ・・・。
排気管とタイヤはレジン製パーツを御支給頂きました。タイヤに関しては、キット標準ではゴム製で、劣化も気になりますし、ゴムでは塗装ができませんので、機体の汚し加減とタイヤの色味の調整が難しいので、これは大変ありがたいですね。( ´∀` )
【胴体内部の製作】
それでは、インストに従ってコクピットから進めてまいりましょう。
今回はエッチングを組んでいきますので、キットのインストとエッチングのインストを見比べながら進めていきます。
エッチングに換装する部分をカットしてインテリアグリーンに塗装する部分をまとめます。
エンジン周りもコクピットと共通の塗装をするパーツがありますのでこちらも全部切り出して、整形してしまいます。
塗装の前に小細工を少々しておきます。完成後に見える部分だけで申し訳ございませんが軽め穴を開口しておきます。これだけで、だいぶリアリティが増す気がします。
キャノピーもインテリアグリーンと思われますので、下処理をしておきます。形状的にセンターにパーティングラインがありますのできれいにしておく必要があります。
1,000番~10,000番までやすりがけをして、コンパウンドで磨いて完了です。
とりあえず、インストに従ってインテリアグリーンのパーツを一気に塗ってしまいます。エンジン周りのパーツも組める部分は組んでしまってから塗装します。塗料はハセガワ考証で進めてまいります。<(_ _)>
続いて無塗装部分の塗り分けです。こちらも組める部分は組んでしまっています。
エンジンとコクピット内の一部パーツを黒で塗装します、同じ色はできるだけ一度に塗ってしまうことで時短を図ります。
それでは組み立てを進めていきましょう。インパネはキットストレートでもそれなりの仕上がりですが、今回はエッチングを頂いておりますのでそちらで進めます。
メーター部分はクリア塗料を垂らしてガラス部分を再現します。細部まで細かく再現されていますので見栄えは素晴らしいです。
フットペダルもエッチングでディティールアップです。完成後はほとんど見えなくなってしまうのが残念です。
インパネ周り完成です。キットストレートの絵が無いのであまり伝わらないかもしれませんが、照準器のベース、各所の配線などで精密感がぐっと向上しています。( ´∀` )
サイドコンソールもエッチングを追加することで実感がアップします。
シート部分もエッチング+開孔処理でディティールアップ。シートベルトはキットの物を使用しました。
ちょっとピンボケですが、フロアーとサイドパネルを仮組してみます。良い感じです。
最後にサイドパネルとフロアー部分を合体してコクピット完成です。
コクピット後部の燃料タンクもMk.16の特徴の様ですが、完成後は全く見えなくなってしまいます・・・・塗る意味ありません。(;^ω^) 見えなくなるパーツまで再現するって凄いですよね・・・。カットモデル用??
というわけで、胴体部完成です。コクピットは覗き込まないとディティールアップしたかどうか、良く判りませんが、それもまた一興?( ´∀` )
【翼の製作】
キットストレートの場合は特筆することはないのですが、今回はエッチングのフラップを組みますのでご報告です。
まずはインストを眺めます・・・。正直、げんなりします・・・。(;^ω^) 大変・・・。
眺めていてもしょうがないので、気合を入れて進めてまいります。
まずは不要な部分を削っていきます。
リブをカットすると同時に可能な限り薄く削り、エッチングを貼り付けた際に厚みが出ないように気を付けます。
あっさりと描かれていますが、まあまあ大変な工作です。
この後縁を・・・
こんな風に・・・・・。(;^ω^)
続いてエッチングを組んでいきます。ゴミ粒のような三角形を一枚ずつ貼っていくようです・・・・。(;^ω^)
昔のエッチングよりもだいぶ組みやすくはなっていますが、それでも神経を使います。無呼吸症候群発症です。
内側の部分は、正直、キットパーツを使用しようかと思いました。何度も焼きなまして、きれいな曲面を作り出します。
出来上がったパーツを翼に組み込んでいきます。ここは思っていたよりも上手く収まります。
胴体と主翼を接合し調整します。
当然と言えば当然ですが、キットストレートとは比べ物にならない仕上がりです!( ´∀` )!
尾翼の部分はキットストレートです。胴体との合いが半端なく素晴らしいです。
主翼の方も隙間一つできません。自身の経験の範囲ですが、これはタミヤにしかできない芸当と思います。( ゚Д゚)
というわけで、士の字完成です!キットの素性の良さと、エッチングパーツを使用したディティールアップが相まって、非常にカッチリとした仕上り!! ニヤニヤしてしまう完成度です。
【エンジンの製作】
こんにちは!今回はエンジンの製作です。それでは早速始めてまいりましょう。
まずは黒く塗っておいたエンジンに、ドライブラシ等を施してアクセントを付けます。
御支給頂いたエッチングにもプラグコードなどはセットされていますが、エッチングではペラペラすぎて、実感に乏しいのでここは以前作ったスピットのように自作で工作をしていきます。
まずは真鍮棒と太めの金属線(さかつうのソフトワイヤー)で大きな部分を作ります。
次に少し細い部分のパイピングです。
最後に極細部分です。プラグコードは0.3mmのソフトワイヤーです。とりあえず、エンジン本体のパイピングはこれぐらいです。
次に、エンジン架、後部隔壁に絡む部分を作っていきます。実機写真で確認できる部分は近い形を目指しますが、それ以外はでっち上げです。<(_ _)>
次にカウル取り付けフレームを取り付けますが、その前に確認したら、エッチングがありますね。。(;^ω^)
この部分もそうですが、カウルを取り付ける際に障害となりますので、今回は割愛させて頂きます。タミヤの精度が高すぎて、ほんの少しでも障害物や、フレームのゆがみなどがあるときれいにカウルが取り付けられませんのでご了承願います。<(_ _)>
カウルのボルト固定用のリブもエッチングに換装できるのですが、カウルを付けたり外したりする際に、外れて無くなってしまう可能性が非常に高いので、穴あけ処理にて代用させて頂きます。<(_ _)>
穴あけ加工が終わったら取り付けます。このフレームはインストではグリーンに塗る指示ですが、実機写真を見ているとっほとんどの機体で焼けた鉄色のような感じになっていますので、そのような感じにしてみました。<(_ _)>
胴体と合体させます。少し調整しながら固定しないとカウルがきれいに収まりませんので要注意です。
次に主翼の機銃部分ですが、真鍮製の物を御支給頂いておりますが、差し込んで完了ではなく、プラパーツと同径のため翼側付け根部分の大手術が必要なようです。(;^ω^)
キットパーツと比べてみますが、仕上がりに大差はないと判断し、今回は申し訳ございませんがキットのパーツを使用させて頂きます。プラパーツに大穴をえぐって、パテで整形しても私のスキルではキット同等の仕上がりに持っていくのは大変難しいと思いまして・・・。<(_ _)>
隣の短い方もハイブリッドで行かせて頂きます。<(_ _)>
というわけで下準備完了です。タミヤ製なので、表面は比較的平滑です。なので、全体的な梨地処理はいたしません。( ´∀` )!
【塗装】
続きまして、塗装に入ってまいります。
まずは、下面と上面をハセガワ指示色でべた塗りします。
つぎに少しトーンの違うグレーでムラを付けておきます。これはウォッシングの下処理みたいなものなので、ごく薄い塗料でエッチングを使ってランダムに施します。
続いてダークグリーンで迷彩を描いていきます。迷彩境界のボケ脚が小さくなるように薄い希釈率で地道に描いていきます。(;^ω^)
塗り終わったら、グレーと同様に薄いグレーでムラを描いておきます。
基本塗装完了!!
次に識別帯を塗装します。デカールも付いてますが、塗装の方が数倍速いです。ベースの白は必須です。ついでにプロペラの先端も塗ってしまいます。
つづいてウェザリングブラックでウォッシングです。
汚れを描くようなイメージで、拭き残しを意識しながら進めます。
ウォッシングが終わると一気に引き締まって見えます。事前に施したグレーのムラ塗装と反応して良い感じに仕上がります。
【デカールと細部の仕上げ】
お待たせをして申し訳ございません。今回はデカールから進めてまいります。
今回はキットのマーキングにて仕上げますが、ラウンデルだけご指示を頂きましたので、そちらで進めさせて頂きます。
主翼上面に関し、キット標準では小さなラウンデルを貼り付ける事となっておりますが、今回は社外デカールを使用して大きなラウンデルを貼り付けます。
社外デカールもキットのデカールも非常に良質でマークセッターを使用すればきれいに貼り付け可能です。
続いて細部を仕上げてまいりましょう。
脚部です。タイヤは御支給頂いたレジン製です。細かな彫刻がたまらなくいい感じです!!
排気管です。こちらもレジン製に換装します。リップの薄さが最高です。そのままではイモ付けする形になってしまいますので、真鍮線を使用して補強しておきます。
外面の溶接痕も強調されていていい感じです。塗装は焼けて白っぽくなった感じを強調してみました。
プロペラです、。全て塗装にて仕上げます。デカールも付属していますが、スピンナーの白帯などは、かえって難易度が上がります。(;^ω^)スピンナーは接着しません。
フラップ上面のドアー(?)部分はキットパーツを使用します。頂いたエッチングにもこの部分が用意されておりますが、キットパーツ(動作ロッド)との兼ね合いと強度の観点からこちらを選択いたしました。<(_ _)>
今回の最大の難所、エッチングフラップの取り付けです。エッチングのインストに従うとイモ付けになってしまします。輸送が無ければ問題無いのですが、今回は激しい輸送に耐えうる強度を付加しなくてはなりませんので、プラペーパーを使って脱落防止を図ります。(^^ゞ
最後に最終的なウェザリングを施していきます。油の垂れ、雨だれを意識しながらこげ茶でスジを描いていきます。
下面はエンジン後部、脚後部を中心に油汚れを描いておきます。
実機写真では、当時写真でもあまりチッピングは見られませんが、アクセス部を中心に軽く施しておきます。
胴体のアンテナは0.2mm真鍮線で再現しました。ご指示通り、インストの長さよりも少し長くしております。<(_ _)>
最後に風防を取り付けます。第2風防はご指示通り接着しておりません。それにしても、タミヤのクリアパーツはやはり別格ですね、恐ろしい透明度です。( ´∀` )
外すことができるパーツたちです。増槽、爆弾、プロペラは取り外し可能です。
というわけで、完成です。同じ翼端カット機でも、零戦32型はあまりカッコ良いと思いませんが、スピットのそれは非常にカッコ良いと感じます、なんででしょう。(;^ω^)画像をクリックしていただくとギャラリーへジャンプします。またのご来館をお待ち申し上げます。ありがとうございました。