ようこそ!この部屋ではイタレリの1/32 F-35A を作っていきます。当ブログ初の製作依頼です!そして、本機は自身2機目です。本キットのウィークポイントを抑えているつもりですので、これから本キットを製作される方の参考となる製作記になるよう、務めてまいります!
下準備
ご依頼頂きましたのは自衛隊仕様のF-35Aです。この機体が航空祭で飛び回る日が待ち遠しいですね!個人的にはB型の配備も期待します!(ヘリ空母なんて言わずにね)
まずは資料のご紹介です。現時点で手持ちの資料は以下の2誌です。まだまだ新鋭機と思いますので、紙面ではこれぐらいでしょうか。その他、気になる所はネット動画等を確認するしかありませんね。ただ、このネット情報、本当に馬鹿にできないです。一昔前には考えられなかった資料ツールです!模型専門誌も見逃すポイントが、何気なく撮られている(☜失礼?)動画の中に見事に映し出されている場合が多々あります。
まずは、イカロスの徹底解説シリーズです。模型の資料としては内容が乏しいのですが、機体の詳細を勉強するにはまずますの雑誌です。
続いて、モデルアート別冊の飛行機モデル総ざらいです。正直、月刊のモデルアートには興味をそそるものがあまり無いのですが、別冊は、たまに良いのが出ます。
そして最後にエデュアルドのBID EDを御支給頂きました。高価なため、普段は手を出せないのですが、今回は御支給頂きましたのでこちらも併用してまいります!楽しみです!
それではインストから見ていきましょう。
ランナーのご紹介です。部品数はそんなに多くありません。タミヤ並みにパーツの合いがよければ、構成的には初心者にも優しいと言えるレベルなのですがね・・・。(まぁ~、合わないです!)
早速製作に入っていきましょう!まずは2分割パーツの部分を接着します。これは、サンディング時にまとめて処理をする為の下準備です。イタレリのキットは、パーツの合いという点では、個人的には正直、最低クラスです。パネルラインが存在する部分にも、スケール感を損なう隙間ができてしまいますので、全て瞬着で埋めて、あとでスジボリし直します。まして、こんな最新鋭機においてはパネルラインの隙間なんてナンセンスと思いますので、スジボリも、あくまで模型映え程度の控え目なものに留めます。
インテイクの内側です。押出ピンの後がガッツリありますので、瞬着を垂らしてサンディングに備えます。
ウェポンベイです。ケーブル類を再現している点は評価できますが、押出ピンの場所、数が嫌がらせに近いです。ミサイル等で埋め尽くされるのであれば、無視できるのかもしれませんが、本機はミサイル装着してもスカスカなので処理せざるを得ません。ここは切削が楽なラッカーパテで処理します。
機体内部の工作
さて、下準備が終わったので、インストに沿って組み立てていきましょう。まずはお決まりのコクピットです。インスト自体は判りやすいです。贅沢を言えば、カラー指示に「何色」というのを明記してほしいですね。いちいちインスト巻頭に戻って確認しなければなりません。
インストは基本信じられないので、実機のコクピット周りを確認します。
「イカロス」よりコクピット写真を確認します。インパネは全面液晶(?)の一体パネルです。さすが最新鋭機です。慣れ親しんだ、丸いメーターが一つもありません(笑)!
模型人しか気づかないと思いますが、左のシートと、右のシート、違いますよね・・。上部のキャノピー破砕用の「ツノ」の形が全然違います。また、改造の参考にしようにも、右の写真では形状が全く判りません。
「モデルアート」も確認してみましょう。
ありました!現行のものはキット付属のものとは全然違う形状とのことです。ネットで自衛隊機を確認しましたが、モデルアートに掲載されたシートの形状でした。鮮明な写真が見つかりませんでしたので、これを参考に改造します。ほんと助かります。
まずは、キットの部品を組み立てます。1/32にしては少し物足りません。レジンシートが発売されるといいですね。
「モデルアート」ではパテで上部の三角の部分を作っていましたが、私はプラバンで整形してみました。三角の中は空洞になってしまいますが、完成後にそこは見えませんので、外見でシャープに仕上がるこちらを採用します。キャノピー破砕用ツノは真鍮線で再現します。この写真のシートベルトはエデュとの比較用にキットのものを仮組みしています。
エデュのシートベルトです。カラードエッチングなのですが、色が実機と異なりますので、装着後に塗装しなおしましょう。
シートの塗装完了です。なかなか良い感じです。実機写真を見る限り、シート全体ブラックなので、部位によって、グレーを混ぜて色調を若干変えてあります。脱出用の虎色のハンドルは、エッチングだと板状で実感が無いのでキットのものを使用します。
次にコクピット全体です。下の写真はエッチング製インパネとの比較用に、キットのデカール製インパネを貼ってみました。コクピット内部色はやや暗めのグレーを塗りました。
そしてこちらがエッチング装着後です。
局部的にリアリティが増して全体を引き締めています。ボタンやスイッチ類基部などに関しては、塗装でこのレベルに仕上げるのは不可能に近いです。
やっぱりインパネに目が行きますね、ファントムやイーグルで育った世代としては何だか物足りません。半日がかりでちまちま塗装しなくて良いので、楽でいいのですが、やっぱり、ごちゃごちゃしているほうが模型的には楽しいですね。
ずいぶん時間が掛りましたが、やっと下準備が終わりましたので、これからどんどん進めてまいります!
まずは胴体からいきましょう。順番としては、最初に事前に胴体内に収める部分を作っていきます。
インテイクからです。押出ピンを整形したのち、クレオスの316番インシグニアホワイトで塗装します。その際に、接着面にも白を厚めに塗ります。この意味は後述いたします。316ホワイトは光沢で塗ったほうが実感が出ると思います。
次に、ウエポンベイ、脚庫です。以前ご紹介しました通り、嫌がらせのような押出ピン跡が脚庫にも同様に存在します。これの処理でかなり時間を使いました。
ウエポンベイです。
前脚庫です。
後脚庫です。一部、丸い跡をそのままにしていますが、ここは脚柱で隠れるので、手を抜かせて頂きます。申し訳ございません(-_-;)
前脚庫を塗り分けます。手持ちに細部写真が無いので何とも言えませんが、とりあえず見た目重視です。チューブ類を黒系で塗ります。金属チューブとする部分はシルバー系で塗ります。
塗り分けだけでは、なんとなく寂しいので、サカツウの金属線を使って、でっちアップします。あと、軽く墨入れもしておきます。
ウェポンベイです。実機写真では、もっとごちゃごちゃしているのですが、接写が無いのでよく解りませんし、これはこれで見栄えは悪くないので追加パイピングは無しで進めます。
主脚庫です。こちらに関しては、塗り分けだけでは若干寂しい感じがしますので、サカツウのソフトワイヤーでパイピングをでっちアップします。F-14など、すでにディティール本が販売されているのを見ると、どの機体も、脚庫にはチューブ類がこれでもかというほど走っています。それをら若干参考にしつつ、今回は、完成時に目立つ部分を中心に追加してみました。
さて、胴体を組み立てるのに際し、内側に取り付けておくべきものを確認していきましょう。インストを順に確認していきましょう。
穴開けが必要ですね。F-35のように詳細情報が少ない機体では、こういうのを忘れると、かなり痛いです。あと背中部分にクリアーパーツの取付指示があります。何なんでしょう??実機写真で確認しましょう。
文林堂からも良いのが出てました。該当部分ですが、光が反射しています。クリアーパーツには間違いなさそうです。
違うアングルも見てみましょう。
よく解りません・・。文献を漁れば解るのかもしれませんが、時間が惜しいので、申し訳ありませんが、必殺!・・でっちアップにします。
まずはノーマル状態です。本キットのクリアーパーツはスモークがかっているので黒っぽいです。現状では、裏側から若干の光が入るので、多少存在感がありますが、胴体を閉じてしまうと真っ黒になってしまいます。実機同様に、あまり目立ちすぎないように工作してみましょう!
クリアーグリーンと、オレンジで比較しましたが、グリーンの方がしっくり来たのでグリーンにします。緑とオレンジの二択は、まったくの私的趣向です。ご了承願います。
塗装ではなく、カッティングシートを貼ります。
その上からミラーテープを貼ります。ハセガワのトライツールを使用します。素材が柔らかくて良いと思いますが、まぁ、光れば何でもいいです。
クリアパーツの表面は曲面なので、見る角度によってキラリって感じで、個人的には合格です。
次にウェポンベイのページです。庫内の部品は後でも取付可能なので、ここでは組みません。ここでも機体の穴開けに注意しましょう。
次はインテイクとエンジンのページです。インテイクは前回下準備が終わっているので、接着して形にします。
パーツ分割の出来はまずまずで、隙間はできません。塗装の際に、あえて接着面にも多めに塗装しました。この状態で、流し込み接着剤にて接着すると、接着面の塗料がいい感じに溶けて、隙間を埋めてくれます。但し、この状態だと接着が弱いので、外側の分割部分を瞬着パッチで固定します。金属で言う溶接のような意味合いです。
分割部の瞬着パッチです。高粘度瞬着を使用しますが、垂れてしまうので、硬化スプレーが必須アイテムです。
胴体下半分に組み立てたインテイク部を設置します。多少隙間ができますが、完成時には目立ちませんので、特に追加工作はありません。但し、接着に際し、プラ用接着剤だけでは弱く、ボディーにフィットしませんので、プラ用で接着した後に、先ほどの瞬着パッチで完全に固定します。
完成時に見える角度でチェックします。特に気になる感じではありません。
テープで仮組をしてみましょう!一種のモチベーションアップ工程です!
パーツ同士の合いはこんな感じで、けっこうな隙間ができます。胴体上下の合いは悪くないのですが、接着線が気に入りません。実機写真でも、ここはばっちり尖がっているのですが、サンディングでばっちりとがらせるのは割とムズイです。私がキットの設計者だったら、研ぎやすい平らな面に接着線を持ってくるのですが、本キットの意図としては、研ぎ出しなどしなくても、それらしい形に仕上がる配慮なのでしょうか。
やっぱりバリバリエッジが効いてますよね~!・・・・。方法考えまっす。
さて本題です。インテイクの上部がこんな感じです。テープで仮組をしているので、気持ち段差、隙間は大きいのですが、それにしてもねぇ・・。
反対側はそこまでではないにしろ、実機から比べるとどうしようもないぐらいガタガタです。ここはパテ細工をせざるを得ませんので、胴体貼り合わせ時にご紹介してまいります。
少し戻りまして、先ほどインストをご紹介しましたが、胴体を貼り合わせるのには、エンジンも作っておかなければなりません。エンジン外装もぬるい感じで再現されてはいますが、完成後はまったく見えませんので、見える部分だけを作ります。インレットとアウトレットのファンブレードぐらいでしょうか。
エデュアルド 1/32 F-35A 外装エッチングパーツ イタレリ用 プラモデル用パーツ EDU32404
インレットはキットの部品で済ませます。というか、完成後はほぼ見えません。ステルスだからでしょうか。
問題はアウトレットです・・・。そう、エッチングです。しかもレベル高めの・・・。何かなーと思いながら眺めてはいたのですが・・・。円形になるのね・・・15番のひだひだ。私に出来るのかしら・・・。あと、14番の円錐チックなのも・・・理屈はよーく理解できるのですが。
気を取り直して進めてまいりましょう!まずは円錐ちっくなものを作っていきます。筆の枝を使って板巻きの要領で円錐を作ります。
注意点としては、少しも平らな面ができないようにすることでしょうか。←超ムズイです。
次に、ファンブレードの部分を作っていきます。滅多に出番のない、エッチングベンダーを使用して折っていきます。写真右端にちぎれてしまったもの映ってますが、最初の内はコツがつかめずちぎれてしまいました。このエッチングは、折り目が固い部類のもので、エッチングベンダーがないと、まず綺麗に折れません。
滅多に使わないので新品同様です。
インスト通りに板の部分を丸めてみたのですが、直径がキットの部品とうまく合わないので、外周の板は外しました。折り曲げ工程でちぎれてしまったブレードも、これを暗示していたみたいです。目立たないところですし、私の腕ではどうやっても合わないと思いましたので・・。
塗装してキットのパーツに装着しました。インストでは、塗装はグレーの指示なのですが、排気側なので、煤けている前提で、やや明るめの黒鉄色にしました。1/32なので、あえてブレードのドライブラシは避けました。
実機写真でもこの部分は真っ黒に見えます。
ちなみに、以前全く見えなくなると言ったインテイクのファンブレードですが、ご覧の通り見えませんので、極論、塗装も不要かと思います。
機体・翼の組立
待望の胴体貼り合わせです。工程としては、まだ半分ぐらいですが、だいぶお腹いっぱいな感じです・・。
胴体貼り合わせに際し、手を入れるべき部分がありますのでご紹介いたします。まずは、胴体と主翼の接合部です。
ご覧の通り、パネルライン的なものは一切ありません。模型としてはアクセントが無くてイマイチですが、実機考証優先で進めます。
胴体と主翼の接合部の隙間に0.2mmのプラ板を挟んで、尚存在する隙間には、瞬着を垂らして埋めていきます。パーツ同士の擦り合わせは施していませんので、キットそのままで接着すると、0.3mm程度の隙間が発生しているものと思われます。私の場合、基本的には短気なので、隙間処理に関しては、擦り合わせをするよりも、無理やり埋めて後で整形の方が好きです。
下面も同様です。サンディングが大変なので、凸造形の付近にパーツの分割線をもって来ないで欲しいものです・・。
完成後は目立たない部分ではありますが、機体後部の排気ノズル付近のパネルもガタガタです。
サンディングが大変な場所なので、軟らかいパテで整形します。ここはポリパテを使います。余談ですが、ポリパテを最後まで使い切る方っていらっしゃるんでしょうか。私は現在に至るまで、使い切ったことがありません。大抵、半分ぐらい使ったところでキャップ付近が固まってしまい、お尻の部分を破くなどして、だまして使うのですが、結局、最後まで使う前に全体的に固まってしまいます。半額にしろとは言わないので、半分の大きさで売って欲しいものです。
インテイク部です。インテイク下側を整形無しで合わせた為か、上側はガッツリ隙間ができてしまいます。現用機モデラートして、インテイク整形は避けて通れない部分であります。大変ですが、地道にパテ整形をしていきましょう。
さて、ようやく機体のサンディングが終わりました。
次に、塗装に際して取り付けておくパーツ等、細かいところを見ていきましょう。まずは、垂直尾翼を取り付けます。ほんの少しですが、隙間が空きますので、パテで埋めます。
お馴染みの手法だとは思いますが、ラッカーパテを擦り込んだあとで、シンナーで拭き取ります。
隙間が小さい場合はこの方法が早いです。もちろん、擦り合わせがベストなのですが、このように概ね合っている場合はこの方が早いです。ただし、手早くやらないと、パテがプラスチックを犯して、表面がザラザラになってしまいますので注意が必要です。ザラザラになった場合は時間をおいて再度サンディングしなければなりません。
今回のご依頼仕様ですが、ハッチ類は全てクローズ状態です。給油口は違和感なく取り付くのですが、乗降ラダーのハッチはガタガタですので、隙間を瞬着で埋めて、サンディング後にパネルラインを筋彫りとします。ピンボケですね・・。申し訳ありません。
こんな感じです。またピンボケ。
小物も忘れずに付けておきましょう。
18番のエッチングですが、インストだけだと少し悩みますね。実機写真を見てみましょう。
ただのメッシュカバーでしょうか。部品の段階では板状なので、排気(?)ノズルの形状に合わせて曲げて、瞬着で接着します。
こんな感じでしょうか。キット付属のエッチングなのですが、意外と、曲面によく馴染みます。瞬着はサラサラ系が良いです、多少多めに付けてもメッシュの穴が埋まりませんので。
あと、コクピット横のイナズマラインですが、機首の整形で下半分を削り取ってしまいました。と言うのは、実機写真ではキットの様にガッツリモールドでは無いので、後から塗装で再現程度でも問題ないと考えたからです。実機写真を見てみましょう。
見えるかどうかのレベルですね。
こちらの写真では存在も判りません。
というわけで、この段階では完全に削ってしまいます。ちなみに、以前気にしていた機首のエッジですが、このぐらいが私的には限界でした。サンディングの際は、土台付きのサンドペーパーを使うとエッジが立ちます。
サンディング後の主翼の付け根です。実機もパテ埋めされているのか、分割ラインは一切ありませんので、このままとします。
エレベーターの裏側です。結構な隙間ができますので、瞬着で埋めました。
下面の主翼付け根です。こちらもサンディングしてラインを消します。
塗装前に、キャノピーの合いも確認しておきましょう。キットそのままでは後部の段差が大きいので、干渉部を削ります。
合わないのは後部だけです。あとは接着で何とかなるレベルですので、塗装後に接着とします。
機体の塗装
塗装の前に全体に薄くサフを吹いて粗を探します。本キットは表面が結構荒いので、600番~1000番程度のペーパーで一皮むいてから、サフを吹いて塗装に入った方が良いです。詳細を掲載しませんが、前縁スラット、フラップ類にもかなりのヒケがありますので注意が必要です。あと、排気ノズル付近ののカバーが、キットでは2分割ですが、実機では一体パネルのようなので、接着後にサンディングが必要です。下写真参照ください。
さあ、それでは塗装に入っていきましょう、ここからが個人的に楽しい時間帯です!
イメージとしてはこの写真の感じで行きたいと思います。
まずは、基本塗装のガンシップグレーを塗っていきます。インストでは、クレオスで言うところの305番 (FS36118)なのですが、やや明るい気がしますので、オリジナル調色とさせて頂きます。
305:301:306=7:2:1ぐらいで調色してみました。黒すぎず、明るすぎずという感じです。あくまで好みですが。
ウェザリングは施さないので、濃い目の塗料でベタ塗りです。小物も一緒に塗ってしまいます。強めのエア、濃い目の塗料でドカッと吹いたので、近くのテレビ画面が飛散した粉末で真っ白です。
次に、見せ場である、ギザギザ模様を塗っていきます。模様と言っても、塗料の質の違いによる見え方の違いで、視覚的な意図を狙っての塗り分けではないようです。
本機は2作目なのであれですが、最初に作ったときは、この写真のインストを見て、「ラッキー!マスクテープが付属だ!」とテンション上がったのを記憶しています。
ですが、実際はこんだけです・・。まあ、細かいギザギザだけでもカバーしてくれているので、良しとしましょうか・・。これ以外の塗り分けは全て自力でマスキング・・・。1/32だからまだ許せますが、。ものすごい時間が掛ります。
気を取り直して、キットでカバーしてくれている部分から進めてまいりましょう。
まずはキットのインストに従って、ギザギザの部分を明るいグレーで塗ります。ハセガワ1/72のインストを見てみても、この部分の指示色はクレオスで言う308グレーです。F-15とかの基本色ですが、明るすぎるし、青すぎて、写真のイメージとはかけ離れた感じになります。本機はどちらかというと、F-16の様にニュートラルなグレー系だと思いますので、敢えてインスト無視でクレオスの317を塗ります。
キット付属のマスキングと、タミヤの曲面テープでマスキングした後、最初に塗ったガンシップグレーを上から塗ります。
マスキングを剥がすとこんな感じです。この、キット付属のマスキングですが、なかなか良くできています。普通に使えます。楽しいですね~、マスキングをはがす瞬間がたまりません!
塗り分けは、まだまだ、たっぷりとあります・・・。下面含めると、マスキングだけで1週間はかかるのでは・・・。
予告に合わせた訳ではないのですが、1日2~3時間の作業量で丸々1週間かかってしまいました。私の手法が悪いのか、マスキングだけでこの時間は尋常ではないですよね。まずは上面です。
インストは無視しています。ご了承願います。
下面は実機写真を見ても、判然としない部分が多々あります。推測の部分もありますがご了承願います。
基本的にモールドの境界がはっきりしていません。大判のテープを貼って、デザインナイフで切り抜く方法だとうまくいきませんので、細切れにしたマスキングテープを貼っていきます。四角形、三角形といろいろな形を組み合わせます。まるでちぎり絵です。タミヤさんにはデカールだけでなく、この辺もフォローして頂けるとありがたいのですが。
扉関係もマスキングします。この部分は大判を貼って、デザインナイフで切り抜く形でも問題ありません。
とりあえず塗り分けが完了です。まずは上面です。はみ出し等は仕上げの時に修正します。パッと見はOK。
下面です。
前後しますが、ノーズコーンの部分は若干ギザギザ模様とはトーンが異なったグレーです。少し意識して塗り分けてみました。実機写真でもギザギザ部分よりも若干暗いグレーに見えます。
続いて、コクピット横のギザギザです。
キット付属のマスキングを使用して描いていきます。スジボリは、あえてしない方がリアルな感じがします。
基本色のガンシップグレーに、若干ライトグレーを混ぜたものを吹き付けます。実機も、角度や光線の当り方次第で、割とくっきり見える場合もあるので、模型映えも狙ってパッと見でも判る程度の明るさにします。
次に、ウェポンベイ等のふちを白く塗っていきます。正直、カバーがついてしまえばそんなには気にならない部分ではありますが、仕上がりに格段の差が出ますので、きっちり塗り分けます。
まずはマスキング。幅広のテープを貼ったうえで、デザインナイフでカットします。ちぎり絵方式をする気力は残っていませんし、この方法でもきれいにできますので。
こんな感じです。
デカール貼り
さて、ようやくデカールに入ります。まずはインスト確認しましょう。
とりあえず日の丸から行きましょう!
まあ、当然ですが、全く色が合いません。恐らく、インストの指定色を塗っても合わないでしょう。よって、塗装でカバーします。それにしても、日の丸ぐらいは赤くしてほしかったですね。
デカールを型紙にして、マスキングをしてギザギザ模様を塗った色で描いていきます。パネルライン等のモールドが一切ないので、位置決めが大変です。インストから縮尺を拾って、位置決めします。また、ベースの四角の長辺のさが、左右で違うのもややこしくしてくれています。
下面ですが、上面とは位置が異なります。こちらに関しては、インストの縮尺で位置を追うと、モールドと干渉してしまうので、若干ですが、ずらしました。
いきなりですが、デカール完了です。まずは上面です。主翼の日の丸は白ふちを切り抜いて使用します。現用機の割に、ステンシルも少なくて小一時間で終了します。
下面です。こちらもステンシル類は少なくて作業的には楽でいいのですが、見栄え的に少し物足りませんね。
脚部及び小物類の工作
デカールが終わったので、小物を作っていきましょう。まずは脚から行きましょう。キットを見る限りでは1/72ぐらいのディティールしかありませんが、実際どうなんでしょう。
写真ではあまり詳細が判りません。前脚は、「見える範囲」はさっぱりしています。
前脚です。A型の脚部の接写が無いので、ほとんど、でっちアップですがご了承願います。モールドがあっさりなので、パイピングでもしないと間が持ちません。
ケーブル類はサカツウのソフトワイヤー、ランディングライト、伸縮部、結束バンドはクレオス、トライツールのミラーシールを使用します。
後脚です。こちらはエデュのエッチングが用意されています。
パイピングはモールドされていますので、塗り分けだけです。推測ですが、金属チューブと思われる部分はシルバーで塗りました。
扉類のアクチュエーターです。伸縮部はミラーシールです。小物類に関し、エッチングで補足されている部分をご紹介いたします。
後脚のホイール部と後脚カバーです。
前脚のカバーです。
エデュアルド 1/32 F-35A 主脚庫&爆弾槽 エッチングパーツ イタレリ用 プラモデル用パーツ EDU32405
ウエポンベイの機器類です。一応、実機写真も確認しておきます。
かなりごちゃごちゃしてますね、ディティール本が出たら、挑戦してみたい(?)気もします。
次にウエポンを作っていきます。今回のご依頼は、ビーストモードといって、機体の外側にミサイルなどを搭載するスタイルです。ステルス性は損なわれるようですが、昭和の飛行機マニアにとってはこちらの方がしっくりきます。バージョンCにて製作を進めてまいります。
この辺りもエッチングで補足されています。
GBU(爆弾)はキットストレートでもエッチングを駆使しないと完成しません。結構大変なので、タミヤのF-16から移植でも良いでしょう。
ミサイルの塗装ですが、メインのグレーの指定色が、クレオスで言うところの311番グレーです。カラーのキャップの色からもお判りと思いますが、ほぼ白に見えるグレーが指定色です。実機写真を確認してみます。
青みがかったいつものグレーです。よって、ハセガワ考証の、クレオスの308番グレーで塗ります。(F-14などを作っていた頃の昔の記憶なので、定かではありませんがご了承願います。)
翼下パイロンは、かなり明るいグレーですので、個人的趣向でクレオスの306番グレーを塗ります。F-16の上面色の明るい方のグレーです。
ウェポンが終わりました。塗装とデカールで丸1日ぐらいかかった気がします。武装関係は意外と時間がかかりますよね。
次に、本機の見せ場である、ウェポンベイ、そして脚庫の扉を作っていきます。まずはインストをご紹介いたします。この部分は結構しっかり作ってあります。ストレートで組んでもかなりの見栄えがします。
墨入れはしないことにします。実機写真を見ても真っ白ですし、モールドが甘めなので、下手に墨を入れるとスケール感を損ねますので。実機写真も見てみましょう。
まあ、実機も新品なので当たり前ですが、とっても綺麗です。
次に排気ノズルです。
キットはこんな感じです。ため息が出ます・・・。
致命的なところにパーツの接着線をもってきてありますので、思い切ってモールドは全部削ってしまいます。1か所、思いっきりヒケてますのでご注意ください。
実機写真を参考に内側の板?をプラペーパーで作ります。幸い、割と単純な形状です。
タミヤの0.1mmのプラペーパーで作りました。外側からもちょろっと見える内側の板を表現するとリアリティが増します。外板の色はダークブラウン、黒、シルバーを適当に混ぜて作っています。内側の白色は316番インシグニアホワイトにタンを少量混ぜたものを、艶消しにして塗ります。タンと書きましたが、サンディブラウン系の色なら何でもOKです。熱で焼けた風の白色をイメージします。
次に、機首下面のAN/AAQ-40EOTセンサー(覚えられません。)を作っていきます。反射でオレンジ色に光っています。
必殺、ミラーシール+クリアーシートでそれっぽくします。
クリアーシート工作のついでに、翼端灯も工作しましょう。動画を見ていると、点きっぱなしではなくて、間欠でぴかぴか光っていますね。
ゼロ戦みたいな色ガラスは考えにくいので、赤と緑のクリアーシート+ミラーシールで、「見る角度によってはキラリッ」を狙います。赤は、真っ赤よりも少し紫がかったものの方が、消灯時のクリアーレッドに近い感じがします。まあ、実際、起動していない時は赤でも緑でもないと思いますが、あえて模型映えを狙います。
キャノピー周りも仕上げてしまいます。キット標準のレベルで、クリアパーツ周りにエッチングというのはやめて頂きたいですね。塗装をきちんと施せば、17番のエッチングは無くてもそんなに目立ちませんので、エッチングが苦手な方は省略しても問題無いでしょう。
キャノピーですが、スモークが少し暗すぎる気がしますね。黒のフレームは、内側のフレームなので、内側から塗ります。破砕コードは塗ったりしない方が自然な感じがしますので、キットそのままにしました。
以上で各部の製作は終了です。それぞれのパーツを装着して完成とします。約2か月かかってしまいました。ご依頼者様には随分お待たせをして申し訳なく思っております。写真が下手なので、画像で100%をお伝えするのは難しいのですが、ビッグスケールも相まって、やっぱり「カッコいい!」が率直な感想です。最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。下の写真をクリックして頂くとギャラリーへジャンプいたします。またのご来館をお待ち申し上げます。
またのご来館をお待ち申し上げます。