Fright Deck Diorama 1/72 USN CVN カタパルトNo.4 製作記





こんにちは。今回は珍しいご依頼を頂きましたので、製作日記を書かせていただきます。私自身、存在すら知らなかったのですが、1/72猿島工廠製のフライトデッキを作ってまいります!


1/72 USNAVY 航空母艦 No.4カタパルトDeck&Catwalk

本キットは基本ペーパークラフトで、紙では難しい部分を3Dプリンターによる樹脂パーツにて構成されています。

完成すると、No.4のカタパルトデッキが出来上がるようです。1/72というビッグスケールなので、戦闘機のキットも充実しています。ちょっと古いですが、ファイナルカウントダウンやトップガンのあのシーンもばっちり再現できるのではないでしょうか。現用機ファンであれば一度は再現してみたいシーンですよね。

2018年12月30日 JBDの製作

早速製作に入りましょう!

インストに従って順に進めてまいります。まずは、ジェット・ブラスト・ディフレクター(JBD)からスタートです。この装置、昔は短距離で発射させるための壁だと思っていましたが、ジェット排気から人員を守るための装置のようです。

プラモで言うランナーです。0.5mmの厚紙で、レーザーカットされています。非常に精密に再現してあります。これを重ねていくようです。

パーツ自体には付番されていないので、パーツ番号はリストで確認します。

見分けがつかないので、治具の部分に付番します。それにしても、パーツ自体は非常に硬く、普通にプラモ感覚で作業できます。ランナーから外したらゲート部をサンディングします。

木工用ボンドを水で薄めて貼り合わせていきます。ちゃんと治具も考えられていて、ばっちり決まります。

4枚重ねるとこんな感じです。プラやレジンではちょっとこの感じ難しいのでは?と思えるぐらい完成度は高いです。なんかワクワクしますね。

排気が当たる面です。ここの塗装をいかにリアルに仕上げるかが悩ましいところです。

インストに実物の写真が添付されているのは非常にありがたいですが、こんな感じにしないと気がすまなくなってしまいますね。( ´∀` )

上:サンディング後 /下:サンディング前

動作アームは3Dプリンターの樹脂パーツです。積層跡を除けばプラモのパーツと変わりません。ディティールもよくできています。

仮組してみます。接着剤無しでぴったりはめ込めます。理屈では当たり前かもしれませんが、この精度は驚きです!

2019年1月5日 デッキの製作開始

しばらく空いてしまいました、申し訳ございません。続いて進めてまいります。

引き続きデッキ上面を作って行きます。紙と樹脂製の甲板を接着します。広い面は木工用ボンド、エッジを瞬着で固定していきます。

カタパルト周辺と縁の構造物(?)を取り付けていきます。

甲板は樹脂パーツです。モールドはプラスチックと遜色ない、それ以上とも思えるディティールです!とりあえずインスト通りにパーツを取り付けていきます。紙パーツと甲板の隙間は接着が乾いたらパテ埋めしないとダメそうです。

カタパルト周辺です。実際1mm程度の紙パーツです。このサイズになると、プラスチックと違い、ふにゃふにゃしますので、まっすぐ収めるのが肝ですね。

JBD周りです。薄い紙パーツを重ねることで十分なディティールを表現しています。

JBD周りのインストはこんな感じです。

裏面はこんな感じです。デッキは2分割なのですが、意外とまっすぐ組み上がります。

JBDを仮組してみます。甲板ともばっちり合います。接着していませんが、角度もすんなり決まります。すごい!

2019年1月8日 船体の工作開始

さて、引き続き船体側の製作に入ってまいりましょう。

それにしても毎日寒いですね。関東は天気は良いのですが空気が乾燥しているせいか、体感的には気温以上に寒く感じます。

11番からです。パーツを格子状に組んで強度を保つようです。パーツは同じような形状なので付番しておいた方が作業がはかどります。

インスト通りだと、先に縦列を全部終わらせて、次に横列という順番なのですが、うまくいかないので、縦→横、という順番を繰り返して組んでいきます。

ぐらつく部分はテープも併用して組み立てます。瞬着で仮止めして、最後に木工用ボンドで固める形にします。

木工用ボンドは乾くと痩せてしまいますのでたっぷり塗っておきます。

パテの観点で、隙間という隙間にはすべてボンドを注入します。

ペーパークラフトは初めてなので何ですが、この紙は結構よくできていますね。ボンドをじゃぶじゃぶ塗ってもフニャフニャしませんし、乾いても反ったりしませんね。一応曲がらない様に重石をのせて乾燥させてはいるのですが、よくできています。

ベース完成です。かなりがっちり組み上がります。完成後に表面となる部分は硬化後にパテを盛って整形することとします。

恒例の仮組です。樹脂デッキと寸分違わずです。良い感じです!!

2019年1月11日 構造物の工作開始

続いてキャットウォークの部分を作ってまいります。まずはインストの項目17番、18番のリブからにします。乾燥硬化後、サンディングが必要な気がしますので、先に作っておきます。

2つのパーツをくっつけるだけなのですが、意外とてこずりました。直角をきれいに出さないとカッコ悪くなりそうです。板パーツの方のジョイント部はパテ盛りサンディングが必要かもです。

階段(?)の部品たちです。

木工ボンドだけでサクサク組み上がります。乾燥後、つなぎ目にパテ処理をしてサンディングに備えます。

2019年1月14日

引き続きキャットウォーク周りを作ってまいります。

細かな構造物を組んでいきます。

目立つ場所に設置されるので、ジョイント部にはパテを盛ってペーパークラフト感を無くしていきます。紙を犯したくなかったので、パテは一気に盛らずに、乾かしながら何層も塗り重ねる感じでやっています。

電工ドラムみたいな物に1mmの丸棒が必要なのですが、部材として買うほどの量ではないので、伸ばしランナーで対応します。ジャスト1mmとはいきませんが十分です。

パテ細工完了です。パッと見はよさそうです。塗装前にサフを吹いてみます。その時点で目立つ部分は再度修正します。プラスチックの様には研げませんので、見極めが必要な感じです。

リブを組み付けて、歩廊を仮組してみます。私の組み方がイマイチなのか、平坦に組むには少し調整が必要です。リブの位置をずらしたり色々しました。

次に手摺を組み立てましょう。実物を知らないのでリアルかどうかは判りませんが、凝った作りになっています。インストのみご紹介しておきます。

あっさりと書いてあります。高さ方向の位置に於いて、どこが接着点か判りませんので完成見本の写真をネットで漁りました。ただ、よく考えられていますのでピッタリと収まります。プラモの艦船は大和ぐらいしかまともに作ったことないのですが、あのエッチングの手摺には参ります。現在はどうか知りませんが、このように「基部もろとも方式」でうまくできたらだいぶ楽ですね。

手摺を付けるといきなりそれっぽくなります。グレーチングっぽい歩廊もよ良い感じです。

接写です。無塗装なので写真的にはイマイチですが、作っている本人は悦に浸れます。

甲板を接着してみました。1mぐらい離れて撮影しています。自分では、なかなか良い感じと思っているのですが、いかがでしょうか。この後サフを吹いて粗を削り、いよいよ塗装に入っていきます。

2019.1.21 塗装開始

こんにちは。今回は塗装直前まで持っていければと思います。まずは、サフを吹いていきましょう。モールドを気にする飛行機とは違いますし、また、何よりペーパークラフトなので、多少厚吹きした方が良いと思いましたので、缶サフで吹くことにしました。

心の中で詫びつつ、近所迷惑を無視してベランダで豪快に吹きまくりました。サイズ的にも室内でサフはちと厳しい感じです。冬だから誰も窓開けてないですよね・・・。グレーにすると一気にそれっぽくなります!ここからが楽しい工程です。

ウォークウェイ周りの記念撮影をしておきます。まずは後半の部分。

続いて前半です。如何でしょう、パッと見、このキットを知らなければ紙とは思いませんよね、良くできています。

いよいよ塗装に入っていきます!

基本的な塗り分けはこんな感じです。これに加えて、インストの参考写真も参考に塗っていきます。ただ、インストのものは印刷がイマイチなので、ネットでも画像を漁ります。YoutubeでCVNの動画を見ていたら1時間ぐらい経ってました。結局、発着艦する飛行機見ている自分がいます・・・。

まずは白の部分を先に塗ります。フラットホワイトでバーっと塗ります。甲板の白線などは後で塗れますが、ウォークウェイ端の柵(?)や階段の踊り場などは先に塗った方が楽でしょう。

そして、白を残す部分にマスキングをします。白線は1.5mmで描いています。

2019.1.22 基本塗装とウェザリング

続きまして、メインのグレーを塗っていきましょう。ネット動画等を漁ったのですが、光の加減などで色がマチマチです。絞り切れませんので、結局イメージで塗っていきます。ビッグスケールなので、やや暗めの方が粗が目立ちませんし、奥行き感が出てしっくりくる気がします。

とりあえずウォークウェイと甲板を同じ色で塗ってしまいます。甲板はこの後ウェザリングをしますので現時点での色はあまり気にしません。

甲板の塗装に入っていきます。実際の甲板は非常に目の粗いアスファルトの感じです。エアブラシのまだら塗装だけでは少し物足りませんし、かと言って、筆で塗るにも面積が大きすぎてリアルに見えるかどうか自信がありません。

よって、ちょっと前に流行った(?)塩マスキングにしてみます。色の濃淡でザラザラ感が出せたら成功です。ただ、本体は紙製で洗えませんので、ほどほどにしておきます。塩の種類で悩みましたが、岩塩ではスケール的に粒が大きすぎるので、食卓塩と、普通の調理用(やや大粒でしっとり系)を混ぜてみました。霧吹きで水をかけたところ、思ったより勢いよく食卓塩が溶けてしまい、ちょっとオイオイって感じです。

ドライヤーでバーっと乾かします。思ったより結晶が残っていて安心しました。

続いて少し暗いグレーでランダムに吹いていきます。線で描くのではなく、点を置くイメージです。

2種類の暗いグレーを吹いたら塩を落とします。まだ嘘くさいですね。この後、色を重ねて自然な感じに持っていきます。 PS: 係留環に詰まった塩がなかなか取れません。

塩のドットを目立たなくさせるために、最初に塗ったグレーを全体にオーバースプレーします。若干マシになってきたでしょうか。

更に明るいグレーでムラを描いていきます。よく見ると点々があるかな?ぐらいまでもっていきます。最終的な見た目はに汚しをかける段階で調整しますので、とりあえず、舗装面の表現はいったん止めて、細部のカラーリング、ライン引きをしていきます。

まずは黄色い線を描きます。JBD用の小部品のおかげでマスキングが面倒です。

黄色完了です。若干赤みの強いものにしています。案の定、JBDの所で少しOBしていますが、赤に塗る部分なのでOKです。

黄色ついでにカタパルトの辺りも塗ってしまいます。インストの写真では退色した赤っぽくも見えますが、他の写真などで、何か、黄土色みたいな感じが印象に残っていますので、そのようにしてみます。

マスキングして塗っていきます。

後でガッツリ汚しますので、ムラを残す感じで塗ればOKです。

塗装用のインストから幅を計算して白線を引きます。残すは赤色のみです。赤が終わったらウェザリングをして完成となります。それにしても係留環の塩が気になりますね・・・。水掛けて、筆でゴシゴシしたんですけどね、乾燥すると白く浮かんできます。まあ、何度か繰り返せば取れるでしょう( ´∀` )

2019.1.23

続いて赤を入れていきます。

JBDの部分はグレーにそのまま塗ったので、艦底色みたいになってしまいましたが、ここが真っ赤だとおかしいのでこのまま行きます。赤白ラインはビビッドすぎて、まるでおもちゃですね、退色・汚しで落ち着かせましょう。

JBDを忘れてました。パターンは目検・適当です。ご了承願います。

裏はこんな感じ。最初、甲板のダークグレーを吹いてから、シャドウ吹きみたいな感じで仕上げていますが写真ではよくわかりませんね。

さて、ようやく基本塗装が終わったので、ウェザリングに入りましょう!

まずは甲板の墨入れをします。拭きムラで汚し表現をしたいので全面に塗ります。

一度ウェスで大まかに拭ったあと、綿棒で模様を残しながら拭いていきます。発艦場所なのでタイヤ痕はそんなにつかないと思いますので、オイル汚れを意識して拭き残します。

忘れないうちに細部を塗装しておきます。係留環はガンメタで塗っておきます。

カタパルトの金属部もやや明るいガンメタで塗ります。

JBDの表側にライトグレーでムラを描きます。

黒系で汚しをかける前に取り付けます。

全体のバランスを見ながら黒や茶色で汚していきます。

最後に壁面にライフラフトを取り付けて、とりあえず完了となります。

後ろ側から。

前半部分です。

細部の塗装をチェックして、ウェザリングを少し修正します。

完成!です。ご依頼品なのに、手放したくない感が・・・。写真をクリックして頂くとギャラリーへジャンプいたします。閲覧頂きましてありがとうございました。

 

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